<広島1-0巨人>◇19日◇広島
きまじめな男らしく、丹念に丹念にコーナーを突いた。巨人先発木佐貫が広島打線に許した安打はわずか3本。自身にとって04年5月以来の完投だった。だが結果は黒星。5回の先頭、広島シーボルに浴びた本塁打だけが悔まれた。外角の変化球を見せた後、内角直球で勝負した。「コースを確認していないので分かりませんが、2-1からの本塁打はいけなかった」。狭い広島市民球場の左翼最前列に打球が弾んだ。
ひたむきにマウンドを守った。6回は内野の連続エラーで1死一、二塁。前田智をフォークで併殺とした。「小差になるのは(途中から)分かった。これ以上点を取られてはいけない。粘って」。先発投手らしい責任感にあふれた103球だった。
木佐貫を見殺しにするまいと、ベンチもあらゆる手は打った。初回1死一塁、2球目にヒットエンドランを試みたが失敗。4回無死一、二塁、送りバントを試みたが2ストライクとされ、強行し二ゴロ併殺打。サインを受けたのは、いずれも3番小笠原だった。
小笠原はプロに入団し、1度も送りバントを決めていない。それほどしゃにむに、1点を取りに行った証拠だった。「得点を取るため、一番高い確率を選択した。紙一重のところで届かなかったが」。サインを送った原監督は説明した。
6回に古城が試みたセーフティーバントも、7回ラミレスが放った痛烈なピッチャー返しも、ことごとく広島高橋の好守に阻まれる不運。この日に限れば相手が上回り、新打線が機能した前日から一転の完封負けだった。ただきまじめな木佐貫には、上げ潮に乗れないチームの現状に悲観はない。「この前は打ってもらって勝っている。先に点を取られてはいかんということ。肝に銘じます」と仲間を信じている。今度は打線が、借りを返す番だ。【宮下敬至】



