<横浜1-3中日>◇20日◇横浜

 オレ竜サンデー男の襲名だ!

 中日が先発吉見一起投手(23)の好投と、効果的な1発攻勢で横浜に3ー1と快勝。連勝で今季最多の貯金「6」とした。開幕から20回連続無失点中だった吉見は、24回2/3で今季初失点を許したが、6回1失点に抑えて、4月6日から3週続けて日曜日に先発して3連勝を飾った。森野、井端の1発も飛び出して打線も好調をキープ。さあ、22日からは首位阪神を迎えての3連戦だ。

 思い切って内角を攻めた。吉見は、1点リードの6回2死一、三塁で鈴木尚を迎えた。好投する横浜三浦と交代した代打の切り札。この日の93球目、146キロ内角直球で二ゴロに仕留めて、ピンチを脱出した。

 「1人1人のバッターに集中していった。我慢していれば(味方が)点をとってくれると思っていた」

 横浜エース三浦との投手戦に勝った。2試合連続完封勝利で迎えた一戦は、2回以外は毎回ヒットを許す我慢の投球。1-0の5回2死三塁では仁志に同点適時打を浴びた。これでシーズン初登板から続いた連続無失点が24回2/3でストップ。それでも「点を取られたのはスキを見せたから。(無失点は)過去のことなので今日勝つことを考えた」。6回を投げて7安打1失点に抑えた。

 「ミスター0」は消滅したが、防御率は0・35と、堂々のセ・リーグトップだ。4月は6日のヤクルト戦から中6日で3週連続ですべて日曜日に先発して3戦3勝で失点1。次回登板で結果を出せば、自身初の月間MVPも視野に入る。吉見は「それは考えてないです。1試合1試合勝負と思って投げていきたい」と謙虚に話したが、胸を張れる数字だ。

 活躍とともに記念のボールも増え始めた。今季のウイニングボールは、妻聡子さんが待つ自宅のリビングのテレビ台に置いている。「ちょうどボールが入る大きさがいいんです」とうれしそうに言う。この日で3個目となり、テレビ台のスペースがなくなるのも時間の問題。プロ初勝利を挙げた06年9月18日横浜戦の勝利球は独身だったために大阪の実家に送ったが、昨オフに結婚した新妻との新しい家庭に新しい記念品がどんどん積み重なっている。

 落合監督は、7安打を浴びた吉見について「しんどいようにしなければいい。これからどうやって解消するかが課題だな」と注文もつけた。3回以降は4イニング連続で先頭にヒットを許した吉見も「先頭バッターを何人も出したので次は修正したい」。伸び盛り3年目のオレ竜“サンデー男”は、さらに高いレベルを見据えた。【益田一弘】