「世界の王」に猛アピールだ!

 阪神は23日から福岡ヤフードームでソフトバンク2連戦に臨む。相手は大隣、そして阪神が5連敗中の“天敵”杉内の左腕2人が先発予定だが、攻略に燃えているのがルー・フォード外野手(31)だ。ソフトバンク王監督のサインを熱望したが、阪神の球団関係者に止められた経緯がある。ならば、目の前で活躍して名前を売り込む意気込みだ。1軍復帰後、打率5割の好調バットで存在感を示す。

 あこがれの人を前に、ハッスルしないわけにはいかない。フォードが「世界のサダハル・オー」にその名を売り込む。ソフトバンク戦に向け博多に乗り込む前、甲子園での指名練習に意欲の志願参加。復調を一番アピールしたい相手は、敵陣の指揮官だった。

 「ホークスはサダハル・オーのチームだね。米国人でも野球をしている人なら誰でもオーさんのことは知っている。偉大なホームランキングのことはね。できることならサインをほしい。子供も野球をしているから、5枚くらいもらえないかな」

 野球少年のように目をキラキラ輝かせた。突然、サインをせがまれた阪神球団関係者は「面識もないし、それは難しいんじゃないか」と首を横に振った。国内の球界関係者なら無理もない反応だ。ならばとフォードは、目の前の試合で活躍して王監督を振り向かせようと、すぐに狙いを切り替えた。

 「復帰してから打撃は悪くない。結果も出ているから気分もいいのだろう。きょうのフリー打撃なんて全然違った。試合でも(カウント)2-0から見極めて四球を選ぶようになった」

 王監督の前に、自軍の岡田監督が熱い期待を寄せる。交流戦2カード目は03年日本シリーズで敗れたホークスが相手。そのシリーズで2敗を喫し、以後の交流戦でも1勝も挙げていない杉内が2戦目に先発予定。初戦も左腕・大隣の可能性が高い。金本、鳥谷、赤星、平野と主力に左打者が多いだけに、開幕直後から左腕対策に力を入れてきた。2軍再調整を経て目を覚ましかけているフォードは、天敵への刺客にうってつけ。金本の後の5番で先発起用することが濃厚だ。

 「テレビで見たけど、あまり大きくないのかな。得点すると手をたたいて喜ぶよね」。サイン入手をあきらめても、フォードは王監督への印象が尽きない。あこがれのビック1から関心を引くことを、ひそかに狙っている。【町田達彦】