<ソフトバンク3-1巨人>◇31日◇福岡ヤフードーム
ソフトバンク杉内俊哉投手(27)が巨人打線を9回5安打1失点に抑え、今季5勝目を完投で飾った。1イニング平均14・7球の理想的なペースと、打撃3部門トップだったラミレスから3三振を奪った。今月4連勝、昨年からも5月は9連勝。月間の50奪三振以上(51)1ケタ四死球(2)は94年紀藤(広島)以来の活躍で、チームに1週間ぶりの貯金1を呼び込んだ。テレビ解説を務めた日本代表星野仙一監督(61)にも代表入りをアピールした。
杉内の口をおどけたせりふがついた。「やっと5勝目かあ。ラミちゃんに最後、ヒットを打たれちゃったねぇ」。9回、それまで3打席すべて空振り三振に仕留めたラミレスに直球を中前打され、1発が出れば同点の場面も、阿部を併殺打。今月3度目の完投で5勝目をつかみとった。
5月5試合でわずか2四球の絶妙のコントロールで球を操った。クリーンアップに許した安打はラミレスの1本だけ。2番坂本から5番阿部の4人から全8三振を奪った。下位打線の連打で失った5回の1失点にも「みっともない投球」とお立ち台で謝った。自称「完ぺき主義」の男らしかった。
王監督は5月9日の練習中に先発陣に完投試合増と、1イニング平均15球の投球を命じていた。この日の杉内は14・7球、「省エネ発令」後の4試合でも15・18球。杉本投手コーチは「俊哉は直球が多いからファウルチップされるが、今年はカーブを使えているので減った。四球もない」と分析した。
王監督も「うちのエースだから」と絶賛した。「みっともないところは見せられんやった。だって試合中(姿が)見えるやもん」。この日、米国でのリハビリから一時帰国した斉藤が、バックネット下の部屋で初観戦。海の向こうから届くメールで励まされた杉内が快投で応えた。
さらに日本代表の星野監督がテレビ解説で訪れていた。昨秋は北京五輪アジア予選決勝リーグの日本代表最終候補入りを股(こ)関節の影響で辞退。「リストに載れば光栄です」。5月4連勝で月間MVPも有力になった杉内は、五輪出場の思いも新たにした。
「暑くもなく、寒くもなく、ちょうどいい」と昨年から5月は9連勝。「ミスターメイ」こと杉内の働きで借金3で迎えた皐月(さつき)は貯金1で晴れやかに終えた。「来月も頑張りますよ」。エースの称号をものにしつつある左腕はチームの巻き返しを誓った。【押谷謙爾】



