<ソフトバンク5-4巨人>◇1日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクが得意のサヨナラ勝ちで4連勝を飾り、交流戦の首位タイに浮上した。巨人に1点を勝ち越された延長12回、川崎宗則内野手(26)が一塁へサヨナラ内野安打を放って4時間半を超える死闘に終止符を打った。ソフトバンクは西武を抜き、12球団最多6度目のサヨナラ勝ち。巨人は延長10回にマーク・クルーン投手(35)が自らの持つ日本最速記録を1キロ更新する162キロの力投などで踏ん張ったが、3度目のサヨナラ負け。3連敗で4位に転落し、首位阪神と再び10ゲーム差となった。

 一塁ベースを回ってナインの袋だたきにあった川崎が「ゴホゴホ」とせき込んだ。サヨナラ打のヒーローの顔がゆがんだ。今季最長ゲーム。「あまり覚えてない。一生懸命走ったから」。会見場に“避難”した川崎の顔が赤く染まっていた。

 巨人に1点を勝ち越された延長12回、柴原、松田が連打で無死二、三塁とすると、長谷川は敬遠され満塁に。1死から代打森本が同点適時打を左前へ運び、2死満塁から川崎だ。「1試合に7回も立てることはないので、ラッキーでしたね」。どこまでもポジティブな男は初球スライダーをたたきつけた。高いバウンドが一塁手木村拓の後方に飛んだ。「下半身の踏ん張りをよくするために、ソックスは5本指のタイプが基本ですよ」。普段からの備えが、一塁全力疾走をセーフにした。

 3日の27歳の誕生日を自ら前祝い。「毎日、グラウンドに立ててうれしい。サヨナラで勝てる喜びは2倍。最後に自分が打って最高でした」。ただし、反省点もあった。1回無死一塁で本多が二盗を決めた直後、川崎は2球目に送りバントを失敗。3回無死二塁でも本多がバントを空振りし、的山が盗塁死。1点差とされた8回も辻がバントを失敗していた。

 巨人2連戦前日の5月30日に野手全員でバント特訓をしたばかり。「追いかける身としてはバントをしっかり決めないといけない」。王監督が力説したばかりだったが、皮肉にもその課題が劇的フィナーレの序章になっていた。王監督は「松中の本塁打の後に1点でも取っておきたかった。チャンスはあったのに」とマイナス材料が真っ先に口をついた。

 それでも延長は今季5戦5勝とめっぽう強い。サヨナラ勝ちも6度目。王監督は「野球は本当に難しい。まあ勝ったから良かったけど」と言った。苦しみながらも4連勝で交流戦首位に並び、貯金も47日ぶりに2とした。首位西武と依然5・5差の現状では、課題をかすめる劇的勝利が上位浮上の特効薬なのかもしれない。【押谷謙爾】