<楽天11-4阪神>◇3日◇Kスタ宮城

 「AK」アベック打点の“神通力”も、野村楽天には通じなかった。先手をとったのは猛虎打線だった。初回、先頭の赤星が安打で出塁し関本が送る。流れるような攻撃で打席に立った新井は、田中の甘く入った146キロ直球を逃さなかった。右中間へ先制のタイムリー二塁打。最高の形のスタートを切った。

 逆転された後の3回は金本だ。2死二塁で打席に立つと、最初の打席で三振に打ち取られたフォークを狙い打つ。追い込まれていたが、金本ならではの技術と読みで中前に運ぶ。楽天へ一方的にいきかけていた流れを引き戻そうとする4番の執念の1打。そして不動の3、4番がともに打点をあげた試合は、これまでわずか1敗だった。そんなデータも、楽天打線の勢いに打ち砕かれてしまった。

 試合前だった。新井は野村監督の毒ガスを浴びた。「弱いもんイジメはすんなよ。巨人(戦)に頑張れ!」。しかし試合では「弱いもん」どころか「強いもん」ぶりをたっぷりと見せつけられた。9回にも意地の左前打を放ったが、試合後は大敗に厳しい表情。「明日です。明日…」と呪文のようにつぶやいた。田中との対戦に向けて「いい投手のいい球を打ちたい」と話していた金本も、試合後は足早にバスに乗り込んだ。

 昨年も田中との初対戦で1-11と大敗した。しかし、甲子園での再戦は、5-0ときっちり快勝でやり返している。やられたらやり返す。そう、「連敗しない」今季の阪神は、交流戦でも健在だ。交流戦に突入してひと回りの6カード目。連勝した西武戦以外はすべて初戦を落としている。それでも連敗していないのは本物の強さだ。

 大敗を味わった仙台の夜。しかし猛虎打線も11安打を見舞った。4日の第2ラウンドこそ、野村監督の「ボヤき」を響かせる。【福岡吉央】