オリックスが来季、前身の「阪急」と統合した「近鉄」の復刻ユニホームで公式戦数試合を戦うプランを検討していることが28日、分かった。球団関係者は「うちは阪急、近鉄と2球団のバージョンが可能。お客さんに喜んでいただけるならといろんな案が出ている」と説明。復活となれば阪急は89年以来20年ぶり、近鉄は04年以来5年ぶりとなる。

 今季は西武が西鉄時代、ロッテも川崎球場時代の復刻勝負服を着用。中でも大きなヒントになったのが、ソフトバンクの成功だった。甲子園での阪神戦と京セラドーム大阪でのオリックス戦で、89年に前身のダイエーが買収した「南海」の復刻ユニホームを着用したところ大当たり。ビジターながらオールドファンが客席を埋め、2万円の「レプリカユニホーム」が即日完売するなど大盛況だった。

 球団関係者は「あの王さんですら巨人時代のライバル、南海のユニホームを着た。お客さんのニーズが第一」と言う。観客動員に悩むオリックスは来季へ向け、2割増の150万人動員作戦を計画中。その目玉として、他球団にはマネのできない2球団分の復刻ユニホームプランが浮上した。

 ソフトバンクとのタイアップ次第では、かつて関西を沸かせた「阪急南海」「近鉄南海」の私鉄対決の復活も夢ではない。さらに交流戦で実施となれば「阪急阪神」「近鉄巨人」など、無限に楽しみが広がる。昭和の時代、パ・リーグを何度も制した勇者と猛牛にあやかり、96年以来の優勝へと突き進みたい。【松井清員】