ヘビ男はムエタイ戦士だった。ソフトバンクは30日、新外国人選手の入団発表会見を、福岡ヤフードーム内で行った。米国で「ニシキヘビ」を飼育しているキャメロン・ロー投手(27=レンジャーズ)は、シーズンオフに格闘技の「ムエタイ」のトレーニングに励んでいるエピソードを披露。秋山幸二監督(46)は、立ち技最強の格闘技で肉体を鍛える右腕を、先発ローテーションの1人として期待を寄せた。

 やはりただ者じゃなかった。記念撮影でローが立ち上がると、185センチの秋山監督の体が小さく見えた。身長201センチ、体重108キロ。会見では体を鍛えることが趣味と明かしたローだが、実は本格的なトレーニングを積んでいた。「ムエタイを4年前からやってるよ。シーズンオフにだけレッスンを受けている」。立ち技最強の格闘技とも形容されるタイ式ボクシング「ムエタイ」が、オフの練習の一環だった。

 週に1、2回、トレーニングジムで、1日約1時間のレッスンを受けているという。お遊びではない。北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの石井慧(22)が挑戦する、米国総合格闘技団体「UFC」の選手も、ローが通うジムに出入りしているという。33センチの大足を生かしたキックは威力がありそうだ。「プロ野球選手になってなかったら、そっちの道に進んでいたかもしれないよ」。冗談とも本気とも取れる口調で、ローが不敵に笑った。

 米国では2メートル以上のニシキヘビをペットにしていることでも有名だが、日本では本業で名前を上げるつもりだ。「シンカー、カーブ、チェンジアップ、と打たせて取る投球が自分の持ち味。チームは昨年、不本意な成績に終わったようだが、今年は自分たちが力を出して優勝したい」と、高らかにV宣言した。

 会見を頼もしげに見守った秋山監督は「体が大きい。スポーツは体で表現して、パフォーマンスを発揮する。大きな武器を持っている人が来て、手助けしてくれるな、と感じている」と、先発候補の1人として期待している。ヘビ男あらため、ムエタイ戦士の投球に注目だ。【中村泰三】

 [2009年1月31日11時0分

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