<ロッテ0-5日本ハム>◇26日◇千葉マリン

 ダルビッシュ有投手(22)が両リーグ一番乗りの10勝目を挙げた。8回2安打無失点で降板したが、7回までロッテ打線を無安打に抑えてノーヒットノーランの快挙達成を予感させるほどの投球だった。2ケタ勝利は4年連続で、62試合目は最速になる。またパ・リーグ投手部門の勝利数、防御率、奪三振で3冠をキープした。

 たったヒット1本で、千葉マリンを大熱狂させた。ダルビッシュの驚異のポテンシャルが、苦笑いした1球に詰まっていた。8回無死。そこまで2四球を許したが、無安打投球。ノーヒットノーランの快記録達成のムードが漂う中で、サブローへカウント1-0からの2球目、146キロのツーシームを右前へライナーで運ばれた。過去最長無安打は06年6月6日阪神戦の6回1/3まで。プロ入り初の夢に最も近づいたが執着はなかった。「それをやることで2勝、3勝つけてくれるわけじゃないですから」。

 両リーグ一番乗りの10勝をマーク。4年連続の2ケタ勝利で、登板13試合目の節目到達はプロ入り5年目で最速だった。「僕のできることは、なるべく負けをつけないこと。貯金を多くつくること」。有言実行で、冷静にアウトを積み上げ直した。サブローへの初安打の直後、橋本将にも中前打。無死一、二塁のピンチから連続三振を含む後続3人を切り、無失点で役目を終えた。

 フォア・ザ・チームの思いは、謙虚な行動に表れた。登板2日前、WBC以来プライベートでも親交がある楽天岩隈と連絡をとった。過去1勝3敗と苦手としている独特の気候条件の、千葉マリンの攻略法のレクチャーを受けた。「対策が浮かばなかった。1つでも(球場攻略のカギを)と思ったけど3つ、4つポイントを教えてもらった。勝ちたかった」。今季初の中5日での登板。少しでも勝利へとつなげる確率を上げるため、プライドも捨てた。

 08年北京五輪や今年のWBCでの経験から、握る際に指先からボールへかける重心の位置をドーム球場とは、ずらすなどして、変化球の理想の曲がり、落ち方などを調整できるようになった。この日も「スライダーが曲がりすぎたけれど、修正できた」。ライバルの先輩からの助言、自身で積み上げてきた経験と技術を結集させた。

 最後は、2勝差をつけた楽天田中への“口撃”で締めた。「あいつは落ちていってくれるんで。頑張ってほしい」ときついエールを送った。【高山通史】

 [2009年6月27日7時54分

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