<広島6-5ヤクルト>◇21日◇マツダスタジアム

 ヤクルト相川亮二捕手(33)のミットから白星がこぼれ落ちた。1点リードの9回2死一、三塁。広島赤松のファウルフライが三塁寄りのネット裏へ飛んだ。ナインはベンチで1度はガッツポーズ。相川がグラブに入れたかに見えたが、落球(記録は失策つかず)となった。直後に同点の内野安打を許すと、さらにサヨナラ打を浴び、今季初の5位へ転落した。

 天国から地獄へ突き落とされた。4連敗で借金は10に膨らんで、3位阪神に迫るどころか1歩後退した。相川は「捕らないと話にならない」と言った後に「ごめん、何もない」。言葉は続かず肩を落とし、重い足取りで引き揚げた。

 大きな“逸勝”に、これまでどんな敗戦でも質問に答えてきた高田監督も、この日ばかりは「もう今日は何もないね」と、顔を紅潮させたまま、ひと言発しただけ。温厚な淡口打撃コーチも「こういう時に聞かないでよ」と声を荒らげるなど、勝てないもどかしさが色濃くにじんだ。【松本俊】

 [2009年9月22日10時1分

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