日本ハムからFA宣言した藤井秀悟投手(32)が、11球団OKの姿勢を打ち出した。19日、道内で行われた選手会納会に出席した。この日から他球団との交渉が解禁されたが、現時点でどの球団からもオファーがなく、進展していないことを明かした。来季の去就が決まらないが、希望球団、条件などにはこだわらず、11球団からのラブコールを待つ。

 藤井はFA交渉解禁日を選手会納会の場で迎えた。他球団との交渉の席が決まったロッテ橋本、阪神藤本とは対照的に「どこからも(オファーは)来ていません。僕は待つだけなので」と厳しい現状を説明した。それでもあせらず待つしかない。「11球団どこでも、取ってくれるところがあれば。条件?

 それは(話が)きてからの話」。希望球団や条件面に固執することなく、広く門戸を開放する姿勢を示した。

 推定年俸7000万円で、人的補償のないCランク。獲得に動く球団にとっては、追い風になる条件もあったが、現時点でオファーはゼロ。「移籍するにしても日本ハムにいたとしても、この時期やる練習は変わらないから」。気持ちを切ることはなく、体づくりを着々と進めている。

 フリーエージェント規約では、国内FA権を行使した選手は、日本プロ野球組織に属する以外の球団と交渉、契約ができないことが明示されている。メジャーや韓国、台湾など、海外に“逃げ道”を模索することはできない。その上、万が一、他球団と契約できなかった場合、3年は日本ハムの契約保留選手とみなされ、事実上移籍の道は閉ざされる。藤井にとっては自ら退路を断ち、選んだ重い決断だ。

 今月21日に予定されているファンフェスティバル、翌日の優勝パレードも参加を見送る考えでいる。「ファンの方にあいさつができないのはさみしいけど、けじめとして出ない方がいいのかなと思う」。オファーを信じ、今はただ“吉報”を待ち続ける。【本間翼】

 [2009年11月20日10時15分

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