<ヤクルト2-5中日>◇1日◇神宮

 中日落合博満監督(56)がチームに大ナタを振るって連敗を脱出した。ヤクルト3回戦(神宮)のスタメンは前日から、クリーンアップを除く全員の守備位置と打順を入れ替えた。予告通りの「てこ入れ」に打線は14安打。課題だった投手を含めた守備もヤクルト打線を抑え、逃げ切った。開幕6戦目、ドロ沼にはまりかけたチームをきっちり軌道修正した。

 悪夢の神宮3連敗をまぬがれた。落合監督が沈みかけたチームの軌道を修正した。「てこ入れ?

 (今まで)チャンスを与えていなかったわけじゃない。(我慢は)5試合目までじゃないか?

 ああいうゲームをしているんだから」。開幕6戦目にして指揮官が振るった大ナタは、先発メンバーを見れば明らかだった。

 開幕から二塁で3失策のセサルを中堅に戻し、井端を二塁、岩崎達を遊撃に入れた。さらに打順も「6番井端」をあきらめて昨季同様の1番に起用した。3、4、5番の主軸3人以外はすべて前日とは異なる打順、守備位置。ヤクルトに連敗した前夜「手は打つよ」と予告した通りだった。

 まず、効果が表れたのは投手を含めた守備だ。初回に先発バルデスがソロ2発で2点を失ったが、その後は8個の「0」を並べた。落合監督が「守備だけならどの球団でもレギュラーを取れる」と評価する岩崎達と名手井端が二遊間を締めた。中堅に戻ったセサルも強風の中、致命的なミスは犯さなかった。先発バルデス降板後の6回には清水、小林正、鈴木を“1人1殺”で投入した。初回失点後、ミスをきっかけにズルズルと追加点を許した前日までとは対照的だった。「守備がよければ投手も安心感が違う。ミスが出れば、抑えたとしてもジワジワ効いてしまうんだ」。辻総合コーチが言ったように守備でつくったリズムは投手、攻撃にも波及した。

 4回、森野の適時打で1点を返すと1死一、二塁から松井佑の飛球が、風に混乱したヤクルト守備陣のお見合いでヒットになった。これまでとは逆に相手のミスに乗じ、小山の犠飛で同点とした。6回に代打小池の1号2ランで勝ち越し、7回には主砲ブランコが2号ソロで追加点を挙げる理想的な展開だった。

 「アラ・イバの二遊間コンバート」「6番井端」はV奪回のために描いた構想だった。それでも荒木が離脱中の今、落合監督は現実を直視した。「構想はいつも持っているよ。でも生身の人間がやっているんだから。勝ったからよく見えるかもしれないけど、これで負けていたら、また別のものが出てくる」。理想通りの勝てるほど甘い世界ではない。幾多の修羅場をくぐり抜けてきた常勝監督は、勝負の厳しさを百も承知している。【鈴木忠平】

 [2010年4月2日10時31分

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