<日本ハム1-4横浜>◇21日◇札幌ドーム

 ハマの番長が、ダルビッシュに投げ勝った。横浜三浦大輔投手が今季最多の118球、8回1失点の力投で3勝目を挙げた。1回に味方の失策から1点を失ったが、力のある直球を軸に日本ハム打線を封じ込めた。「ダルビッシュは意識せず、相手の打線と戦った。試合を作る自分の仕事ができた」。お立ち台のヒーローは少し誇らしげに胸を張った。

 36歳。ベテランの意地を見せつけた。23歳のダルビッシュのような150キロ台の速球はない。この日の最速は139キロ。それでも魂のこもった139キロだ。「しっかり腕が振れていたので、今日は真っすぐが走っていた」。1発出れば同点の8回1死一塁で稲葉を中飛に打ち取ったのは、最速タイ139キロの直球だ。

 15日の西武戦で8失点、今季最短の2回2/3でKOされた。中5日での復活劇の裏にはベンチの好アシストがあった。三浦も「監督、投手コーチ、周りの人たちに助けてもらった」と感謝した。KO翌日、試合前の練習中に尾花監督に呼び止められた。球に力が伝わるよう、フォームの微調整を助言された。監督からの直接指導は今季初。尾花監督は「始動の部分をアドバイスしただけ。投手は繊細なものだから」と照れたが、実際には身ぶり手ぶりを交え、ひじの使い方などを熱血指導。三浦は「いろいろ直して、球持ちが長くなった」と具体的な内容はけむに巻いたが、この日の直球は数字以上の伸びだった。

 ダルビッシュ相手にエースが投げ勝っての1勝は重みが違う。これで3連勝。尾花監督も「エースに勝つと、チームとしても自信になるね」と今季最高の笑顔を見せた。【鈴木良一】

 [2010年5月22日8時59分

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