<阪神5-1中日>◇1日◇甲子園
頼れる右腕が戻ってきた。3年連続開幕投手の安藤優也投手(32)が約2カ月ぶりの1軍マウンドで7回1失点と力投した。中日吉見と堂々の投手戦を演じ、ローテーション復活に一発回答。6連戦が続くリーグ戦を勝ち抜くには必要不可欠な先発の柱がどっしりと立った。
67日ぶりの甲子園のマウンドだった。安藤がベンチから出てくるとスタンドから自然に拍手が起きた。虎党の誰しもが待ち望む、背番号16の復活。安藤自身も心待ちにした舞台だった。
安藤
長かったね。久々って感じだった。細かいことを言えばいっぱいあるけど、2カ月ぶりだったのでね。勝てたらいいと思って、投げていました。
力を回復した直球は、最速148キロをマークした。7回6安打1失点。今季最多108球の復活投だった。悔やまれるのは1球だけだった。2回、先頭のブランコに、抜けたフォークをバックスクリーンに運ばれた先制を許した。だが、6回1死一、二塁ではスライダーで併殺打に打ち取り、借りを返した。
4月25日、屈辱を味わったのも、甲子園での中日戦だった。1回にブランコに3ランを浴びるなど、1回1/3で6安打4失点。プロ最短イニングでのKO劇に、マウンドを降りる際には容赦ないブーイングを浴びた。この時点で1勝2敗、防御率7・84となり、2軍行きを命じられた。
「まずは気持ちの整理から始めた。そこから、1つ1つ精神的にも、技術的にもクリアしていった」。始めの1週間はブルペンにも入らず、走り込み中心もミニキャンプで一から体を作り直した。2軍では5試合に投げて防御率1・69と格の違いを見せつけた。交流戦期間中には1度、1軍昇格が決まりかけたこともあったが、2軍生活は2カ月にも及んだ。もんもんとする中で「どうしてここにいるんだろう」と心が折れかけたこともあった。
2軍の福岡遠征中だった8日、安藤は夕食に育成枠の1年目高田を誘った。居酒屋で開幕投手が、支配下登録に向けて鍛錬を続けるルーキーにアドバイスした。「自分が納得できるように、自分で考えて、悔いが残らないように、自分のやりたいようにやればいい。それがプロだ」。模索を続ける自分に言い聞かせていたのかもしれない。
白星こそつかなかったが、2度目の“開幕戦”で仕事をまっとうした。「みんながんばっていますから。1イニングでも長く、僕もがんばらないと」。2カ月分の遅れを取り戻す時間はまだ十分にある。【鎌田真一郎】
[2010年7月2日11時31分
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