阪神藤川球児投手(30)があえて「のんびり」を宣言した。炎の3連投から一夜明け、2日に新幹線で東京に移動。巨人との決戦ムードをあおる報道陣をなだめるように言った。「のんびりやっていこうや!

 のらりくらり、普段通りで。年間通してやることは同じ。まだまだ先は長い」。もちろん、中日3連戦に登板した意義は理解している。ロード前、最後の本拠地戦で、重要なカードだった。ただ今からハイペースで飛ばせば、シーズン終盤に息切れすることは確実。だから守護神はスローペースを強調した。

 首脳陣も考えは同じだ。ブルペン担当の山口投手コーチは今後のプランを明かした。「基本は1イニングの起用になる。(イニングを)またがないようにしないといけない」。休養日前に緊急登板する可能性はあるが、あくまで“禁じ手”という認識は変えなかった。

 リリーフ陣にとって、守護神にいかにつなぐか、が課題となる。久保田から藤川の流れが基本方針だが、他の選択肢もある。浮上するのが、安藤のセットアッパー起用案だ。7月31日の中日戦では延長12回に無死満塁のピンチをしのぎ、2回を無失点。元エースの底力に賭けてみる。山口コーチは「それも頭にある」と否定しなかった。安藤だけでなく、西村や渡辺、藤原らブルペン総出で、藤川にバトンを渡すことになる。

 [2010年8月3日11時32分

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