<ヤクルト7-5巨人>◇11日◇神宮

 3位中日のしっぽが、ようやく見えてきた。ヤクルトが巨人に連勝し、7年ぶり8連勝。3点ビハインドも5試合連続2ケタ安打の打線が内海、野間口を攻略。飯原誉士外野手(27)が勝ち越し10号2ランを含む2発5打点と大暴れした。最大19あった借金は3まで減った。

 打線に火を付けたのは、飯原だった。1回1死一塁、内海の初球高め直球を左中間へ先制2ラン。「絞って待っていたところに来たので、迷いなく強く振り抜くことができた」。4回2死二塁では、野間口のスライダーを振り抜いた。自身初の2ケタ10号勝ち越し2ラン。これが決勝点となった。

 石川が3回までに5失点して逆転されたが、勢いは変わらなかった。前日までの3番武内が下降線になると、飯原を抜てき。中軸をあえて固定せずに臨んだ小川監督代行は「選手がすごい。一時がうそのように本当に点が入る。リードされても、今はひっくり返せるという感じがある」と話す。5月に古巣復帰した伊勢打撃巡回コーチが、野村監督のもとで学んだデータや傾向を重視する「ID野球」の復活に尽力。この日は不調が続く内海の状態を考え、ストライクゾーンのボールを積極的に打ちにいった。飯原の先制弾も、3回の1点差に迫る畠山の右前打も、いずれも初球直球を痛打。今季2戦2敗、14回1/3でわずか1本の適時打しか打てなかった左腕を3回途中にKOした。

 8戦ぶりの3番起用で3安打5打点の飯原には、恩人への思いがあった。宮本らとオフの自主トレを行う松山(愛媛)の「権現温泉観光」の代表取締役・石丸直史さんが9日に病死(享年61)。野球が好きで、OBの池山氏やパイレーツ岩村らもお世話になった。「お立ち台で言おうと思ったけど、言うと泣いちゃうのでやめました」と神妙に言った。宮本も「お世話になったメンバーで打って勝とうと言っていた」と振り返った。この日通夜で、12日に告別式を迎える石丸さんに白星を贈った。

 巨人には3年ぶりとなるシーズン2度目のカード勝ち越し。最大19もあった借金は3となり、勝率5割は目前だ。それでも、小川代行は「借金19で引き受けたときは明確な目標を出せなかったが、今は勝率5割と出してもいい。でも、僕からナインにそう言うつもりはない」。目の前の戦いに全力で集中するだけだ。【由本裕貴】

 [2010年8月12日8時36分

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