<広島4-11阪神>◇2日◇マツダスタジアム

 阪神坂井信也オーナー(62=電鉄本社社長)が来季の「真弓体制」を明言した。2日に神戸市内の自宅で取材に応じ「続投してほしい」と話した。前日1日にリーグ制覇を逃したが、揺るぎない信頼を強調した。9月8日中日戦の試合前に続投を要請し、真弓監督も受諾していたことも判明。両者の意思確認は完了しており、来季3年目のシーズンを迎えるのは決定的となった。この日、真弓明信監督(57)は打順の入れ替えが的中して広島に快勝。クライマックスシリーズ(CS)進出を確定させ、日本一に向かって再出発した。

 5年ぶりリーグ制覇の可能性が消滅した1日の敗戦から一夜明け、阪神坂井オーナーが神戸市の自宅で取材に応じた。今季で2年契約の最終年を迎える真弓監督の来季去就に関する質問が飛ぶと、即座に断言した。「続投してほしいと思っている。優勝がどうやこうやというのは、全然関係ない。揺らぐことはありません。2位ならどう、3位ならどうというのはない。1位になることは祈っていましたけどね」。来季続投の方針はシーズン中に固まっていたが、3位で公式戦を終えても変わることはない。揺らぎない信頼をあらためて強調した。

 すでに両者の間で意思確認は完了していた。9月8日の中日戦。坂井オーナーは試合前に開催地のスカイマークに足を運んだ。指揮官と会談し、「来年もやってほしい」と契約の更新を要請。真弓監督も「分かりました」と受諾した。ここで真弓阪神が来季3年目のシーズンを迎えることが事実上、決定した。今季は若手の台頭が目立ち、主力投手の故障や不振で苦しんだが、優勝争いを展開したことを高く評価されている。来年こそ悲願のV奪還をその手腕に託すことになった。

 もちろん、まだ日本一への夢はあきらめていない。坂井オーナーは「残念だったが、まだ試合が残っている。2位と3位は違う。甲子園でやってもらえるようにがんばってほしい」とゲキを飛ばした。リニューアル工事の影響もあり、甲子園ではまだクライマックスシリーズを開催したことがない。ファンへの恩返しや収益アップを考えると、初の本拠地開催を誰もが望んでいる。

 真弓監督もその条件となるシーズン2位確保に執念を燃やした。この日の広島戦では、1番鳥谷、3番マートンに打順を入れ替えた。さらに能見を中2日の登板間隔で中継ぎ起用するなど勝利にこだわって、チームは大勝。「(打順は)ちょっと点が取れず、リズムが出てきてなかったから。何とか2位になって、甲子園でCSをしたい」。巨人が横浜に勝ったため3位のままだが、残り4試合も絶対に負けられない戦いが続く。

 [2010年10月3日11時42分

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