虎のコバヒロ、怖くない-。中日森野将彦内野手(32)がロッテからFA宣言した小林宏投手(32)が阪神に加入することを「歓迎」した。交流戦開始の05年からの6年間で6打数0安打(日本シリーズ含む)だが、苦手意識はまったくなし。同じ昭和53年生まれがライバルとなり、燃える材料がまた増えた。
阪神に小林宏が入団する。森野はそれを聞いて表情を曇らせるどころか、むしろ笑みすら見せた。「ヒロユキは数少ない、高卒からの同級生だからね」。昨季最後まで優勝を争ったライバル阪神に、日本シリーズで苦杯をなめたロッテの守護神が加入する。連覇を願うファンにとっては眉をひそめたくなる話題だが、森野は歓迎した。
96年、森野が東海大相模からドラフト2位で中日に入団した年、小林宏も同4位で春日部共栄からロッテに入団した。昭和53年生まれの同期生は、巨人阿部、オリックス後藤らもいるが、高卒まで同じというのはヤクルト浜中、楽天小山ら数人しかいない。顔を合わせれば「(昭和)53年会つくろうか」と相談し合う仲。プロである以上、打席で対峙(たいじ)する相手はすべて敵だが、敵味方を超えて対戦意欲を沸き立たせてくれる“同志”だ。
実は、データ上では小林宏は森野の天敵にあたる。交流戦が始まった05年以降、対戦成績は6打数無安打。昨年11月の日本シリーズでも2打数無安打に封じられた。だが、それはあくまで数字上でのこと。当の森野に苦手意識はまったくない。
「苦手とか、そういう意識はまったくありません。数打席しか対戦したことがないから。先発の時はよく球を動かして、独特のスライダーを投げる投手だったけど、後ろにまわってからはフォークが多いかな」。
わずか数打席では判断材料にはならない。森野は今季から1つのペナントを奪い合うことになるライバル右腕を冷静に分析してみせた。
昨季、森野は阪神戦で91打数42安打、打率4割6分2厘と打ちまくった。今季は阪神側も徹底マークしてくるはず。そして試合を左右する終盤で小林宏と対峙(たいじ)するのは1度や2度ではないはず。
「僕がどうこうというのはありません。とにかく対戦してみないことには。むしろ、ヒロユキの方があの甲子園の大歓声の中でどういう投球するかです」。
敵地の大歓声の中で大暴れしてきた森野は、不安を抱えるのはむしろ初めてセ・リーグにやってくる相手の方だという。泰然自若-。セ・リーグ王者を引っ張る中心打者は、風格たっぷりだった。【鈴木忠平】
[2011年1月21日11時0分
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