<オープン戦:中日1-6ヤクルト>◇8日◇刈谷

 開幕投手候補の中日朝倉健太投手(29)が、ヤクルト戦に先発し、3被弾を含む7回8安打6失点と派手に打ち込まれた。オープン戦初先発で、まさかの大乱調だ。

 同じミスを繰り返した。本塁打3本のうち、4回バレンティン、7回川本の2本は甘く入った初球。しかも先頭打者への1球目だった。さすがに自分へのいら立ちを隠せなかった。

 「高めは打たれるし、低めはゴロになるということがはっきり分かった。初球ホームランを2発食らったので初球の入り方を考えないといけない」。

 4回に被弾してからはワインドアップからセットポジションに変更。バランスを重視した投球に切り替え、必死に立ち直ろうとする姿を見せた。

 それでも、首脳陣の期待に応えられなかった。6回は3者凡退に抑えたが、ベンチはあえて7回のマウンドに送り出した。オープン戦では、ここまで先発投手陣の中で最長のイニング。その7回に3発目となる本塁打を被弾してしまった。

 「こんな投球じゃ、悔しさをぶつけると言っても『何言ってるんだ』って言われる。しっかり結果を残していきたい」。

 オープン戦2試合7イニングを無失点に抑えていた朝倉にとって、大きなつまずき。森ヘッドコーチは報道陣の問いかけに答えず、険しい表情だった。開幕まで3週間を切った開幕投手レースで、12年目右腕が1歩、後退した。【桝井聡】