広島が“理想の打線”でシーズンに突入する。7日、開幕前ラスト実戦の横浜戦(マツダ)で11安打し、6-3勝利で締めた。派手なアーチこそないが、盗塁、進塁打、犠飛など小技を絡めて着実に得点を重ねた。12日開幕阪神戦(甲子園)を前に首脳陣も「理想だったね」と手ごたえたっぷりだ。

 広島が、開幕前最後の実戦となった横浜との練習試合を白星で締めた。スコアは6-3。2桁11安打を放ち、得点を重ねた。野村謙二郎監督(44)は「いい形で点を取れた。良いイメージでシーズンに入れる」と満足そうに総括した。

 1番の梵が出塁して、中軸が返す。理想的な攻撃を見せたからこそ、指揮官の表情も緩む。1回は梵の内野安打から進塁打、進塁打で2死三塁。そして、4番に座るトレーシーだ。「良い当たりじゃないけど…。打点は付いた」。追い込まれながらも、横浜高崎の116キロ変化球をしぶとく右前に運ぶ先制適時打。前日6日は、対外試合で2月27日以来の1発を放ったが、勝負強さが光る。

 3回も安打で出塁した梵が、すかさず二盗でチャンスを広げる。1死三塁となり、3番広瀬の犠飛で追加点。2-2と同点に追いつかれた直後の4回裏は、岩本の豪快な右中間適時三塁打と投手バリントンの来日初安打で突き放し、7回にもダメ押しの2点を追加した。シーズンにとっておきたいような理想的な流れ。浅井打撃コーチは「点の取り方も良かった。追加点、エンドラン、右打ち…。全部良かったね。理想だったよ」と手応えを明かした。

 この日は、広島でも11年間プレーした元巨人コーチの木村拓也さん(享年37)の命日だった。「彼のガッツあふれる精神を継ぎながらプレーしたい」と、かつてともに汗を流した野村監督は言った。選手会長の石原も「今日は拓也さんの命日でもあるし、良い締めくくりと言うか、良いスタートを切れるように」と今季の躍進をあらためて誓った。大きな手応えをつかみ、故人をしのび、広島が2011年開幕を迎える。【佐藤貴洋】