震災支援でも“場外ホームラン”を放つ。中日トニ・ブランコ内野手(30)が8日、東日本大震災の被災者を勇気づけるチャリティー本を出版するプランを明かした。

 ナゴヤ球場で若手主体の練習に参加した。メニューをこなした大砲は、静かに、温めてきた計画を語り出した。

 「僕の子供ころの話とか、日本に来たいきさつなんかを書いて本にしようかと友達と話している。出来れば、この本で被災者の人たちに何か役に立てるといいと思っているんだ」。

 来日して3年目。ドミニカ共和国から異国の地にやってきて、大きな成功をつかんだ。その経験を踏まえ、復興へ前向きなメッセージを伝えるつもりだ。

 まだ構想段階ながら、自伝本の出版が実現したら印税収入はすべて寄付するつもり。もちろん、自らの生い立ちをつづる本の内容でも、被災者に何かを訴えることができると信じている。

 大まじめなブランコのプランに周囲からは「ボスは3冠王、オレ2冠王」という本のタイトル案まで持ち上がっているという。開幕直前。本業の野球のプレーだけでなく、献身的な気持ちにあふれている。【坂祐三】