<阪神3-4中日>◇14日◇甲子園

 最後のピースが埋まった。左内転筋を痛めて出遅れていた中日チェン・ウェイン投手(25)が今季初勝利を挙げた。今季2度目の登板で6回3安打無失点と阪神打線を圧倒した。

 先頭新井に中前打された2回に1死から城島を低めのフォークで併殺に仕留めて勢いに乗った。最後まで変化球を低めに集めるピッチングでゼロ行進。甲子園を沈黙させた。

 チェン

 コントロールを意識した。三振を取るよりも、野手を信頼し、打たせて球数を減らすピッチングを心掛けた。初勝利と言ってもいつもと特には変わらないです。

 白星を手にしても表情を崩すことはなかった。この日の直球の最速は144キロ。150キロ超のストレートを投げ込む「本格派」とはまるで別人だった。

 実は今季初登板だった6日巨人戦で審判から2段モーションの指摘を受けた。投球時に右足が静止する点を注意された。公式戦に復帰しても、フォームに関しては手探り状態がまだ続いている。

 チェン

 試合を投げていけば大丈夫だと思う。球に威力が戻ればいいけど、このままじゃいつか打たれる。1試合でも早く戻れるようにしたい。

 チームは3連勝で3位に浮上。勝率は5割に復帰した。落合監督は「まだだ。こういうのが毎日続くんだろうな。昨日と一緒。まだまだ」と無表情で話したが、これでチェン、吉見、ネルソンの3本柱が勝ち星を手にした。12球団屈指の投手王国が、布陣を整えた。【桝井聡】