<ソフトバンク6-0中日>◇1日◇福岡ヤフードーム

 ソフトバンクの勢いはアクシデントでも止まらなかった。最大のピンチは2点リードの6回だった。1死走者なし。先発和田の足元を、中日井端の打球が襲った。右足首付近に当たり、そのまま交代。ざわつくスタンドを静めたのは、緊急登板した森福允彦投手(24)。一塁走者の井端をけん制でアウトにすると、3番の森野を捕邪飛に仕留めた。

 森福は普段、ブルペンで20球ほど力を入れて投げる準備も、わずか5、6球で終えたほど。それでも、1回2/3を無失点で切り抜けるあたりに、投手陣の層の厚さを感じさせる。秋山幸二監督(49)も「よく頑張ってくれたよ」と賛辞を送った。

 “代役”が攻撃の起点となった。多村が2回の打席で左足首内側に自打球をあて、4回の守備から交代。代わりにライトを守った福田秀平外野手(22)が、直後の4回裏に右前安打を放って、すかさず二盗。貴重な追加点を呼びこむ原動力となった。先制点は細川と併用される捕手山崎の一打。チームの総合力をまざまざとみせつけ、これで交流戦無傷の連勝は10まで伸びた。チーム6年ぶりの2ケタ連勝を祝うように、試合後の勝利の花火も通常の8発ではなく、特別バージョン10発だ。

 交流戦の優勝マジックも10が点灯した。それでも誰も浮かれるところはない。秋山監督は「関係ないんじゃない。(交流戦一回りを終え)あと半分頑張ります」。交流戦Vを、日本一への通過点としか思っていない。【松井周治】