<横浜1-4中日>◇30日◇横浜

 大敗ショックも借金危機も吹き飛ばした。落合竜の誇る主砲コンビがチームを救った。3番森野将彦内野手(32)4番和田一浩外野手(39)が25試合ぶりにそろって打点を挙げ、連敗を3で止めた。開幕から不振が続く2人の復調なくして連覇は成し得ない。久しぶりに見せた“競演”を再浮上のきっかけに、さあ今日から巨人3連戦(東京ドーム)だ。

 主役を張るべき男たちが、表舞台に帰ってきた。オレ竜の必勝パターンがよみがえった。両軍、無得点で迎えた3回1死二、三塁。まずは森野が口火を切った。横浜高崎のストレートを右前へ。先取点をもたらし、なお一、三塁とつないだ。

 そして、試合を決定づけたのが4番和田だ。カウント1-1から、外角への変化球をとらえ左翼スタンドへ6号3ラン。「体勢は崩されたけどボールが1個分高かったからスタンドまで運ぶことができた」。体は完全に開いていたが、バットはトップの位置に残っている。泳がされたように見えて、泳がされていない。和田をMVPに輝かせた打撃が久しぶりに火を噴いた。

 2試合連続2ケタ失点で連敗した横浜に森野、和田の3、4番でリベンジした。昨季チーム得点の4割近くをたたき出した2人がそろって打点を挙げたのは5月22日楽天戦以来、じつに25試合ぶりで、まだ今季4度目。すべて勝利しているが、その回数の少なさが2人の今季を物語っている。「去年もこうやって勝ってきた。今年はそれができていない。そのためにもっと自分が打たないと」。規定打席到達者の中で最下位に沈んでいる森野は自分たちの使命をあらためて強調した。

 「きょうも追加点を取らないといけなかった。まだまだですよ。それだけの責任があるわけですから」。

 試合後、和田にも笑顔はなかった。リーグ再開後も不振は変わらず、広島での3戦目は得点機に三振で完封負け。デーゲーム後、新幹線に4時間揺られて横浜に移動したが、車中ほとんど眠ることなく厳しい表情で虚空をにらんでいた。

 「そりゃあ、へこむよ。だっていくらもらってると思うの?

 それだけの責任があるわけだから。それを果たせなければ、やめるしかないんだよ」。

 推定年俸4億円。その重責をだれよりも痛感しているだけに、一晩か、二晩限りの結果では自分を許すことはできない。7回の攻撃終了後、和田は小池と交代してベンチ裏へ下がった。体調不良か、負傷だと推測されたが、和田は表情を変えずに首を横に振った。

 「何でもない。明日?

 もちろん、問題ない」。

 今日からは東京ドームでの巨人3連戦。主砲と呼ばれる男たちにしか背負えない重い、重い責務を負って戦い続ける。【鈴木忠平】