巨人原辰徳監督(53)は13日、渡辺恒雄球団会長(85)と清武英利GM(61)の“内紛”勃発にも、来季に向けて不動心を貫く。秋季宮崎キャンプ第2クール2日目の練習後、来季のV奪還に向けてまい進することを改めて誓った。渡辺球団会長の反論談話にOBの江川卓氏(56)入閣案は原監督の提案とあったことには、「非公式」(同監督)での会話では名前は挙がっていたと明かした。

 原監督の言葉には、現状への憂いの色がにじんでいるようだった。11日の清武GM緊急会見から端を発した“内紛”以降、周囲は騒がしくなった。12日には渡辺球団会長と清武GMが立て続けに談話を発表し、未明にかけて書面で非難し合った。そんな状況で迎えたこの日の秋季キャンプでも、原監督は騒動に振り回されることなく、時には自らティー打撃で見本を示すなど、積極的に指導し続けた。

 原監督

 そういう状況の中で、我々ができることはなんぞやと。チームを強くする、そしてファンに愛され、ファンを愛する。この2点。我々が貫き通す。それですね。

 前夜に渡辺球団会長が発表した談話には、江川氏入閣は原監督の提案とあった。11日夜には、4日の会長報告の際に江川氏の話があったかという質問に対し、個人名を出すことで迷惑をかけるとの配慮から完全否定していたが、思わぬ形で名前を出される格好となった。当然この件に質問が及んだが、原監督は語気を強めることなく冷静に語り始めると、慎重に考えながら丁寧に言葉を紡いでいった。

 原監督

 非公式というかね、チームを高めるためにたくさんいろんな会話はしているわけですから、それの1つです。ジャイアンツというチームを強くするという目的の中での、たまたまその1つ、固有名詞があったということです。それ以上は説明というか、答えようがありませんね。

 清武GMに江川氏の名前を出されたため、渡辺会長も前日発表した談話の中で「直ちに実現することは困難」と記し、江川氏本人も「こういう状況では(コーチ就任は)今年は難しい」と話しており、受諾の可能性は限りなく低い。

 そんな今、チームは何をすべきか。原監督は日本のプロ野球発展に大きな功績を残した故正力松太郎氏(読売新聞社長)の遺訓を引用した。紳士たれ-。「やっぱりファンに愛され、ファンを愛すると。そして自分のやるべきことをしっかりやるということだと思うしね。強くあるためにどうすべきか。それに集中します」。やるべきことは“お家騒動”ではなく、V奪還に向けてしっかりと原点に立ち返ること-そんな思いが込められているかのようだった。【浜本卓也】