ど根性タイムリーじゃ~。広島の3年目、堂林翔太内野手(20)が今キャンプの対外試合初安打&初打点を挙げた。阪神との練習試合(沖縄)に7番三塁で先発し、6回1死二、三塁で阪神久保田からいったんは同点となる左前適時打。4回の守備で左目上に打球が当たるアクシデントをものともせず、野村監督にアピールした。試合は2-6で敗れた。
3年目の若武者にとって、なによりも貴重でうれしい一打だった。1点を追う6回1死二、三塁の絶好機。マウンドには、昨季まで1軍で423試合の登板数を誇る阪神久保田。まだ20歳の堂林は、1歩も引かなかった。
1ボール2ストライクからのストレートを引っ張った。打球は遊撃大和のグラブをはじいてレフト前へ。三塁走者松山が同点のホームイン。二塁走者会沢が本塁タッチアウトで逆転はできなかったが、プロ3年目で初めて1軍キャンプに参加した堂林にとって、記念すべき初安打&初打点となった。
堂林
久保田さんとは2軍戦で対戦したことがあったので、どんな球を投げるかは知っていました。あの打席が一番振れていました。久保田さんから打てたのは自信になります。ヒットが出たほうがいいし、なにより打点がついたのがよかったです。
笑顔で振り返ったが、その左目上は少し赤くなっていた。4回、中谷のゴロを処理する際、イレギュラーバウンドした球が直撃したためだ。いったんプレーを止めベンチに戻ったとき、野村監督に一喝された。
「お前の代わりはいくらでもいるんだぞ!」
その声に即「行きます!」と叫んでいた。指揮官は「代わればチャンスを人に与えることになる。気持ちで勝たないと。休むような選手じゃない」と鼓舞した。交代しなかったことで、初タイムリーが生まれた。堂林も「使ってもらっている立場。でも最後まで試合に出たい」と、やっとつかんだ好機を手放すつもりはなかった。
まだ発展途上だが、指揮官は「今後もオープン戦などで1軍の投手と対戦させたい」と右の大砲候補に引き続き英才教育を施す方針だ。「プリンス」と呼ばれるスマートな20歳が、修羅場の実戦でたくましさを身につける。【高垣誠】



