<DeNA4-2中日>◇6日◇横浜

 DeNA国吉佑樹投手(20)の今季初勝利は、うれしさよりも悔しさが大きかった。5試合目の登板で6回途中2失点。「逆球、高めに抜けた球を振ってくれたところもあった。あれを見られていたら、違う展開になっていたと思う。無駄な球をなくして、もっと長いイニングを投げないといけない」。106球を要した投球に、反省の弁を並べた。

 制球に苦しんだが、同い年の男のバットがゆとりを生んでくれた。「筒香のホームランで早い回に点をとってもらえて、気持ち的にも楽に投げられました」。大阪での中学時代、ボーイズリーグで対戦した縁がある。「向こうの方が、知名度は全然高かった。いい打者でした」と振り返る。同じ09年入団も、筒香はドラフト1位、自分は育成枠。プロ入りこそ差をつけられたが、3年目を迎えた今は同じ舞台で戦うまでになった。筒香が左くるぶし痛で開幕に出遅れた際は、「早く1軍に帰ってきて」と励ましたという。

 まだまだ追いついたとは思っていない。「今日の活躍も向こうのほうがすごい。いつかエースと4番になれれば。それが一番理想です」。そのために、次こそは心から勝利を喜べる投球を披露する。【佐竹実】

 ▼46歳8カ月の山本昌と20歳7カ月の国吉が先発で投げ合った。これまで先発投手の年齢差は53年10月4日の若林忠志(毎日=45歳7カ月)と布施勝巳(東急=20歳4カ月)の25歳3カ月が最高で、26歳差以上の先発対決は初めてになる。

 ◆大リーグでは

 先発投手の投げ合いでは、65年9月25日、59歳ペイジ(アスレチックス)が29歳モンバウケット(レッドソックス)と対戦した30歳35日が最大差。ただペイジはこの試合が1日限定の復帰戦だったため、実質の1位となると47歳ペイジ(当時ブラウンズ)が53年9月22日に18歳ミラー(タイガース)と対戦した29歳8日になる。今年4月12日には49歳モイヤー(ロッキーズ)が22歳バムガーナー(ジャイアンツ)と歴代3位の26歳256日で投げ合った。また、年長差本塁打は記録にないがこの日(日本時間6日)、モイヤーが22歳ヘイワード(ブレーブス)に被弾。その差は26歳264日。