<巨人5-1ソフトバンク>◇20日◇東京ドーム
巨人沢村拓一投手(24)の連続イニング無失点記録が、33回2/3で止まった。ソフトバンク打線を力で封じ、6回までノーヒット。4回には自ら適時打を放ち、中盤までにチーム7連勝を決定づけた。記録の予感を漂わせた7回、右足がつった影響で失点し降板。球団史上2番目に長いゼロ行進を達成しても、反省が口を突く4勝目だった。貪欲な2年目が投打で暴れ、チームは2位に浮上。交流戦単独首位に立った。
クスリとも笑わない。沢村の口を突いて出た言葉は「悔しいです」だった。7回の途中で降板を告げられ、ベンチに引き揚げる足取りも、とても勝利投手とは思えない。お立ち台では「最高です」と、阿部ばりの決めぜりふを発したが、表情はこわばったままだった。
「なんとなくだけど、抑えられた。抑えても納得のいくボールじゃなかったので悔しいです」と自分を叱咤(しった)する。6回までは無安打と完璧な仕事をした。2回の松田、4、7回のペーニャを球威ある外角直球で見逃し三振に仕留めた。投手有利のカウントに追い込み、打者が直球を待つ状況で、手も出せないぐらいの剛球をミットに突き刺した。だが「特別に意識はしていない。三振は三振なんで」と、意に介さない。
降板の仕方が不本意だった。「打席で足がつってしまった。足がつったとはいえ、打たれたのは情けない」。5点リードした6回の打席でフルスイングし、空振り三振に倒れた。右太ももに違和感。ベンチ前でストレッチをしてから、平然とマウンドへ向かった。だが、先頭の金子に初安打を許し、2死後に松田、小久保の連打で連続イニング無失点もストップした。「(記録は)あまり興味はない。ここで打たれるようでは、いいピッチャーになれない」と奥歯をかんだ。
ひたすら反省した。「筋力不足ですね。また、明日から筋力トレーニングに励みたい」。試合登板翌日を含め週4日のペースでジムに通う。200キロのバーベルを担ぎ上げる、鋼の肉体でも、一切の満足はない。川口投手総合コーチは「やり過ぎではないけど、それがプラスになるかどうか。でも、それで生きてきた男だからやらないと不安なんでしょう」。最速150キロを超す直球とスライダー中心の本格派として、目指す頂は果てしなく高い。沢村は「僕は今季だけを見てトレーニングをしていない。10年後、15年後のことを考えている」と断言する。
チームは7連勝で貯金4。自身は4勝3敗とし、勝ちが負けを上回った。「(貯金)1じゃ、しゃあないですよね。2つ、3つ、4つと増やしていきたい」と、即答した。もはや「自分に厳しい」という領域ではない。【為田聡史】
▼巨人が昨年8月3~10日以来の7連勝。交流戦では開幕4連勝となった。交流戦の開幕最多連勝は07年日本ハムの12連勝だが、セのチームで開幕4連勝は10年中日に並ぶ最多タイ。巨人の交流戦単独首位は05年の15試合消化時(10勝4敗1分け)以来7年ぶり。
▼沢村が4月21日ヤクルト戦から続けた連続イニング無失点は33回2/3でストップしたが、巨人で33回以上は66年堀内恒夫(44回)以来、チーム46年ぶりだった。沢村の通算打撃成績は試合前まで68打数4安打(打率5分9厘)2打点。昨季から通じて39打席ぶりの安打でプロ初の1試合2打点をたたき出した。



