「気」で制す!

 1日からの秋季キャンプでの飛躍を目指す、阪神2年目の中谷将大捕手(19)が30日、鳴尾浜で行われた2軍練習で、心身統一合氣道会・渡辺富夫師範(65)から指導を受けた。

 黙々とフリー打撃を行う中谷に、静かな視線が注がれた。視線の主、渡辺師範は持ち時間を終えた中谷を呼び寄せた。身ぶり、手ぶり付きの熱いレッスンが、約20分間続けられた。

 師範が中谷の体を横から押せば、中谷はぐらつき、一方、中谷が渡辺師範の体を押しても、師範は微動だにしなかった。「体の高いところに意識があれば、押されるとぐらつく。意識が高いところにあったことを感じてもらいたかった」と渡辺師範は説明した。

 朝の食堂で、中谷に目を付けていた。あいさつをしにきた姿を見て「これは体の重心をちゃんとしないと」と感じたという。師範によると、体の大きい選手ほど、重心への意識が重要になるという。重心が下がることで、心の落ち着きも得ることができ、打席での集中力にもつながるというものだ。

 指導を受けた中谷は、手応えをつかみかねている様子だったが「言っていることは理解できました。これをバッティングなどにも生かしていきたい」と、前向きに取り入れるつもりだ。渡辺師範は秋季キャンプの前半にも参加。安芸の地でも、合気道の教えをフルに生かしアピールする。【山本大地】