中日高木守道監督(71)が9日、セ界一早い宣戦布告だ。今季限りで契約が切れ、DeNA入りが決定的なトニ・ブランコ内野手(32)に「三振、三振、三振だ」と強烈パンチをぶちかました。残留交渉中のはずが、来季3月29日開幕戦でぶつかるDeNA入りを監督自らが公表?

 シーズンを盛り上げた守道劇場は、オフになっても熱い。

 守道監督が衝撃発言を連発した。秋季キャンプ地の沖縄北谷。来季開幕の相手DeNAについて問われた時だ。「ブランコとやるんか」。えっ、ブランコですか?

 確かにDeNA入りが決定的とされるが、球団は「残ってもらえるように交渉を継続中」との立場を変えてませんよ。ところが監督自ら退団&DeNA入りを発表?

 そしてニヤリと笑って、言い放った。

 「ブランコなんて三振、三振、三振だ。落ちるボールを放っときゃいいわ!」

 憎さ百倍とはこのことか。4番としてCSでも大活躍したのに弱点を指摘。なんと宣戦布告までしてしまった。残留の可能性はゼロではないはずですが…。「そもそも(狙ってたのは)阪神やったんやない?

 よその条件がいいみたいで返事がないもん。(DeNAも)2年5億とか出てるやない?」。相手は中日の条件より大幅に上として、完全にギブアップモードだ。

 でも、貧打に泣いたチームが簡単に4番を放出していいんですか。それも同一リーグ、開幕で当たる相手に。「外国人だから気持ちは分かるよ。そりゃ条件のいい方に行きたいでしょう」。何たる太っ腹。そこには強い守道理念があるようだ。「前に監督やった時も落合が出て行ったけど、出て行きたいヤツは出て行けばいい。去る者は追わず。無理して引き留めんでいい」。前回監督を務めた93年、主砲落合がFAで宿敵巨人に移籍。その時も引き留めなかったとし、ブランコともさようならだ。守道劇場は今季、多くのビックリ話題を提供してきたが、もはや聖域はない。

 「まあ、うちはおる戦力でやりますよ。外国人も調べてもらっとる。あなた方もどっかエエ外国人、探して来てよ」。最後は報道陣に新4番探しまでお願いした。ただし、DeNAはブランコだけでなく、ソーサやソトにまで獲得の手を伸ばしている。争奪戦となっている福留もターゲット。根こそぎ持って行かれ、来季開幕オーダーに“中日勢”が並ぶ可能性もある。こうなってもまだ笑えますか、守道監督?【松井清員】

 ◆中日助っ人の契約事情

 ブランコ、ソーサ、ソトとも1年契約で今季限りで契約が切れ、残留を要請中ながら全員が流出危機にある。今季推定年俸1億2750万円のブランコには単年、複数年の両条件を用意。だが球団は「マネーゲームはしない」方針で条件アップは控えめの模様。今年初めて代理人をつけ、現在も保留のまま。条件のいいDeNAに傾いているとみられる。