【ホノルル(米ハワイ州)15日(日本時間16日)=為田聡史】巨人村田修一内野手(31)が、人生初の優勝旅行&海外家族旅行で“思い出の味”に遭遇した。阿部ファミリーと出掛けた夕食で、偶然、人気高級ワインの「オーパスワン」を発見。迷わず飲み干したこのワイン、実は巨人1年目の思い出が凝縮された、特別な1本だった-。
村田にとって忘れられないあの味が、ワイキキでよみがえった。阿部ファミリーと一緒に出掛けたレストラン。ワインリストに、年代ごとのオーパスワンが並んでいた。
阿部
俺が結婚した06年があるじゃん。その時も、このワインを飲んだから。今日は奮発してマグナムサイズをみんなで飲もう!
村田
いいですねぇ。実は僕にとっても、オーパスワンは思い出のワインなんです。
約1000ドル(約8万円)のワインを注文し、大きなワイングラスに注いだ。一口目が、ゆっくりのどを通過する。1秒、2秒と、しばらく目を閉じて村田が言った。「うん。この味。あの時はきつかったな…」。大不振に陥っていた9月、ヤクルト戦での“事件”の記憶が鮮明によみがえった。
原監督から強制帰宅を命じられ、自宅でやけ酒したのが何を隠そう、このオーパスワンだった。あの時、ほろ苦かった同じワインも、優勝旅行となれば、テイストは全く違った。「うめぇー!
やっぱり、こうやって飲むのは幸せですねぇ」と“美酒”に変わった。
今季はリーグ優勝、日本一、史上初の5冠と、チームは最高の結果でシーズンを終えた。でも村田の道のりは平たんではなかった。個人にスポットを当てれば、長い不調が試練となり、重圧となった。「打てなくて新聞に載るのは、初めてかもしれない。しかも、あんなに大きくね…」と、しみじみグラスを傾けた。
ワインボトルを手にした村田に阿部が言った。「修一にとって初体験。つらい事もたくさんあったと思う。でも今は最高。これがジャイアンツだよ」。村田は「明日のゴルフはキャンセルして、家族と過ごす時間に充てます。こんな機会はめったにないから大事にしたい」と、苦楽をともにした家族に感謝した。「来年も、って気持ちになりました。絶対にまた家族を連れてきたい。ここでワインを飲みたい」。こんな所で出合ったオーパスワンが、来季の目標を定めてくれた。
◆オーパスワン
米カリフォルニア州で79年に創業。飲み口がシルクのように柔らかいとされ、同地産のワインが世界的な評価を得ることとなった功績は非常に大きい。銘柄は音楽用語で「作品番号1番」という意味。「1本のワインは交響曲、1杯のグラスワインはメロディーのよう」とのコンセプトがある。




