<オープン戦:DeNA0-6ソフトバンク>◇19日◇横浜

 開幕ローテをつかんだ。DeNAのドラフト3位井納翔一投手(26=NTT東日本)が6回3安打1失点の好投を見せ、チームとしては97年の川村(1軍ブルペンコーチ)以来となる新人の開幕ローテーション入りを確実にした。

 中畑清監督(59)が「井納、いーのう、って言うか!」と、ご機嫌だ。開幕候補の高崎がケガ、期待していた国吉と加賀美が不調で開幕に間に合わない。駒不足を補う新人の台頭に「うちには、これ以上のピッチャーあまりいないんで。先発は必ずある」と確約した。

 2年前から覚えたスプリットが有効だった。オープン戦本塁打トップの柳田、新外国人のラヘアから空振り三振を奪った。「マークしていました。ともにフルスイングしてくるので。カウント球と勝負球で高低に変化もつけた」と言う自信の球種で仕留めた。加えてカーブもさえた。

 友利投手コーチは「変化球が2種類ストライク取れれば先発できる。監督の頭にはローテもある」と期待の大きさを示す。2カード目の巨人戦先発が有力だ。落ちるボールを武器に大役に浮上した。【矢後洋一】

 ◆井納翔一(いのう・しょういち)1986年(昭61)5月1日、東京都生まれ。木更津総合-上武大-NTT東日本を経て12年ドラフト3位で入団。球種はスプリット、スライダー、カーブ。社会人時代は抑え役も。チームメートの加賀、菊地は上武大の先輩。188センチ、87キロ。右投げ右打ち。推定年俸1000万円。