<巨人5-3DeNA>◇25日◇岐阜

 DeNAは、沢村の大記録を食い止めるのが精いっぱいだった。7回1死からの内村賢介内野手(27)の左前打まで、1人の走者も出せず。前日24日の17失点の惨敗に続き、もう少しで完全試合を食らうところだった。球威の落ちた9回に何とか3点を返したものの、内容的には完敗だった。

 中畑清監督(59)も「沢村は気迫が球に乗り移っていた。昨日の今日で、うち(の気迫)がもっと上にいかなければいけなかったけど、それに輪を掛けてすごい闘争心だった。それを認めちゃいけないけど、素直に認めなきゃいけないボールを放られてしまった」と、完全に白旗状態だった。

 これで今季巨人戦は勝ち星なしの5連敗。わずか4勝の昨年に続き、どうしても勝てない。「先発陣が踏ん張れば試合になるという手応えはある。早くその状況を整えていかないといけない。早く人材出てこい!」と話したが、実際この2試合は先発陣は踏ん張りを見せていた。前日の井納の大量失点はラミレスの拙守が呼び水。この日の小杉も5回まで2失点。両投手とも確かに反省点はあるが、勝てない要因に挙げるのは酷すぎる。

 この試合で中畑監督はラミレスを先発起用した。守備の難よりバットに期待しての決断だったが、前日から5連続三振と全く結果は出ていない。攻撃面で力を発揮出来ず、守備でミスを繰り返した選手を使い続ければ、チームの士気にも影響しかねない。3連勝後の3連敗で借金は3。「守れない選手は使えない」と宣言して臨む今季。ここがぶれれば、あっという間に定位置の最下位が見えかねない。【佐竹実】