ロッテ伊東勤監督(51)が、西武からFA宣言した涌井秀章投手(27)の背番号として「16」を候補に挙げていることが22日、明らかになった。西武ではエースナンバー18を背負っているが「おれの中では16のイメージしかない。涌井と言えば、自分が監督していた時のイメージしかない」と話した。

 「16」は涌井がプロ入団時につけていた番号だ。05年、伊東監督と涌井は西武の監督と選手として、ともに日本一を目指して歩み始めた。再びチームに迎え入れるならと、真っ先に浮かんだ数字だった。

 「ロッテ入りが決まれば」という前提でだが、「同じチームでやってた人間が、またやるチャンスが訪れた。巡り合わせかもな」と縁を感じている。西武時代は、辛抱強く使い続けて先発完投型に育てた。涌井は19日の初交渉で「伊東さんがいて今の自分がある」と言った。消えない師弟関係。「そういう思いが少しでもあるなら、やったかいがあった」と目を細めた。

 背番号「16」は現在、中後がつけている。10番台は12、13が空き番で、涌井に「16」を提示する場合、中後にも相応のナンバーを用意するとみられる。第2回交渉は11月中にも行われ、複数年契約とともに背番号も提示される見込みだ。「同一リーグで、一緒に元チームを倒す立場は楽しい。新しい1ページを開くことになるわな」と伊東監督。元教え子との共闘を、心待ちにしている。