DeNAの公式ドキュメンタリー「ダグアウトの向こう

 2013」が、DVD発売前からすでに、初回生産分5000枚を完売していることが分かった。横浜市桜木町の横浜ブルク13で、8日まで2日続けて行われたプレミア上映イベントで発表された。作品は球団公式撮影スタッフが全144試合に同行し、計200時間に及ぶ膨大な映像を100分間に凝縮。普段は見ることができない、リアルな世界が映し出されていると口コミで評判となり、17日のDVD発売を待たずに初回限定版が完売した。

 いち早く映像を見ようとプレミア上映会初日の7日には、約400人収容の会場に超満員のファンが集まった。不振のキャプテン石川に、中畑監督が試合後に監督室で2軍降格を告げる“衝撃映像”から、引退試合を迎えた小池と横浜高時代の同級生後藤との友情物語の舞台裏まで、大画面を見ながらもらい泣きするファンの姿も多く見られた。

 初日のプレミア上映会後には、ゲストとして石川と後藤がトークショーを行った。2軍降格シーンを映像で見た石川は「こういう形でDVDに出てしまい反省しています」と、序盤戦の不振を振り返って苦笑い。映像では小池の引退試合で涙を流し続けていた後藤も「正直(映像を見て)また泣いてしまいました」と、感動的に編集された内容に目頭を押さえていた。

 球団広報は「伝えたかったのは選手の個性。DeNAファンでなくても面白いと思います」と胸を張る。昨年も発売したが本格的な撮影は夏以降の上、当初はDVDとして発売予定がなかったため「最初からDVDのために撮影した今年の方が完成度は高い」(球団広報)という。事実、昨年の作品は1年間で売り上げが7000枚余り。今年の作品は早々と1万枚に到達するペースだ。他球団の多くの公式DVDが、年間1000~2000枚程度の売り上げにあって、桁違いの売れ行きとなっている。

 中畑監督も「マンネリ化した閉塞(へいそく)感の漂うプロ野球界にあって、新しいプロ野球の魅力を伝えたい、ファンの裾野を広げたいという思いから、ロッカールームの中、監督室の中までカメラが入ることを許可しました。多くの方々に野球の素晴らしさ、真剣勝負を通した感動を共有してほしい」と、さらなる人気拡大に期待を寄せる。

 もちろん今後は追加で生産し、オフィシャルショップや公式オンラインショップ(http://www.dena-ec.com/yokohama_dena_baystars_shop/)で、通常版として17日から購入できる。プレミア上映イベントも、8日は荒波と梶谷が出演し、14日には中畑監督、15日には三浦らが出演する。17~23日には、みなとみらい線みなとみらい駅構内で写真展も実施。今季逃したCS進出を、来季はDVD効果で増えたファンの後押しで実現するかもしれない。