DeNA石川雄洋内野手(27)が“優等生”になる。16日、横浜市内の球団事務所で契約交渉に臨み、1500万円増の6500万円(金額は推定)でサイン。主将3年目となる来季に向け「CSに出て、勝って優勝することが僕の目標であり、チームの目標。それに向かって引っ張っていけたらと思う。(自分が)成長したかは周りが決めることだけど、来年は優等生になろうと思っています」と宣言した。

 これまではイケメンのルックスも手伝ってか、優等生とは言えない、やや自分本位な言動が目立った。この日の会見序盤も「優等生になりたいとは思わないけど…」と漏らしていたが、主将の自覚が徐々に言葉に表れた。「自分は思ってることをうまく伝えられるタイプじゃない。でも人一倍負けん気は強いと思ってる。技術はないけど根性だけで勝負している。技術だけじゃないところを後輩に見せていきたいし、みんなが認めてくれるキャプテンになりたい」と力を込めた。

 中畑監督から主将不適格と断じられたことが転機になった。打撃不振に陥っていた今年5月。試合中の態度を問題視され、2軍降格とともに主将剥奪を示唆された。苦い思い出だが「ああいうことがあって、自分自身も野球も、見つめなおすことが出来た」と振り返る。再昇格後は8月に球団新の8試合連続マルチ安打をマークするなど成長を結果で示した。秋季キャンプ(鹿児島・奄美)では主将に立候補。変化を感じ取った中畑監督に、「姿勢が変わったな」と認めさせた。

 来季の個人目標に「僕しかいないと思っている」という1番打者での144試合フル出場を掲げた石川。チームのため先頭に立って戦う覚悟だ。【佐竹実】<DeNA石川のお騒がせメモ>

 ◆12年2月

 キャンプ第2クール2日目に「サポートをよろしくお願いします」と主将就任のあいさつ。しかし掛け声の元気のなさから、中畑監督から「もっとでかい声を出せ!」といきなりダメ出しされる。

 ◆12年5月

 写真週刊誌「フライデー」がテレビ東京秋元玲奈アナウンサーとの熱愛を報道。中畑監督は「一流の証明だな。おめでとうだよ」。

 ◆13年5月

 打撃不振に陥り、バットを引きずりながらベンチに戻る姿に中畑監督が激怒。「自分の成績が悪い時にどう行動するかが大事だけど、ふてくされているというか、チンタラやっているようにしか見えない。キャプテンが重荷なら、肩書を外したほうがいい」と断じた。