パイオニアからパイオニアへ。投打「二刀流」に挑んでいる日本ハム大谷翔平投手(19)が、メジャー挑戦の先駆者から激励と後押しをもらった。9日、日米球界で活躍し、史上最年少で野球殿堂入りした野茂英雄氏(45)が沖縄・名護キャンプを訪れ、大谷とも初対面した。言葉を交したのは1分ほどだったが、大谷は大興奮。また、栗山英樹監督(52)も「背中を押してもらった」と、道なき道を進む勇気をもらった。

 いつも平静な大谷が、珍しく興奮していた。打撃ケージの後ろに、あこがれの存在がいた。メジャー挑戦のパイオニア野茂氏と、初対面。約1分間、言葉を交わした。「緊張しました。何をしゃべっていいのかもわからなかったです。もちろん(メジャーに興味を持つ)きっかけになったひとり。すごい成績を残していますし、あこがれでもあります」。練習を見てもらったわけではないが、かけがえのない時間を過ごした。

 野茂氏が海を渡った95年、大谷はまだ2歳だった。野球と出会い、打ち込み始め、米球界で活躍するその存在の大きさを知った。「ノーヒットノーランを複数回するのはすごい。実力がないとできないこと」。テレビで見る野茂氏の姿に、心を躍らせていた。

 一昨年のドラフト直前、高校から直接メジャー挑戦を表明した際には「パイオニアとしてやっていきたい」と言った。現在は、誰も成功したことのない投打「二刀流」に挑戦中。プレーヤーとしてだけでなく、思考や信念を曲げない野茂氏の姿勢も、尊敬の対象だった。

 練習中ということもあって、直接会話したのはほんの一瞬だった。だが、栗山監督を通して、心強い後押しを受けた。野茂氏と話し込んだ同監督は、「いろいろ話した。それは察して」と詳細は控えたが「背中を押してもらった」と言った。パイオニアの先輩から、道を切り開いていくための心構えや勇気をもらった。2年目を迎えても、いまだに風当たりが強い「二刀流」挑戦。矢面にさらされる大谷本人と指揮官にとっては、力強いエールだった。

 前日8日に今季実戦初登板した大谷は、明日11日の阪神との練習試合(宜野座)で打者として初出場する予定。次回登板までの間隔が中6日あり、シーズン中の貴重なテストケースとなる。「僕はいつでもいける準備をするだけ」。野球殿堂入りした野茂氏も注目する大谷の「二刀流」2年目が、いよいよ本格化する。【本間翼】