<オープン戦:阪神5-6日本ハム>8日◇甲子園

 ダークホースがキター!

 日本ハム北篤外野手(25)が開幕1軍へ前進した。阪神戦に途中出場。7回2死で外角高めの直球をとらえ、中堅右へ運ぶ特大弾。「中飛かなと思ったらポトリと落ちた感じ」と苦笑いも押し込んだ。本塁打賞で阪神電鉄から賞金が贈られると聞くと「いっただっきま~す!」とちゃめっ気たっぷりに喜んだ。実戦4発目は中田と谷口に並びチームトップタイ。番狂わせな予感漂う存在感を放った。苦いイメージを一掃した。小松工時代は最速145キロ右腕として注目を浴び、目標は甲子園出場。3年夏も夢はかなわなかったが当時、同い年でチームメートの早実・斎藤と駒大苫小牧の田中が聖地で熱投。テレビ越しに目に焼き付けた。「投手ではプロは無理。野手で勝負しよう」。横浜入団2年目の08年には右肘の故障もあり野手に転向。プロ8年目で高校時代の青写真に近づいた。

 この日は一塁で出場も、本職は外野で定位置奪取へ意欲満々だ。今季は外野手のレギュラーが未確定。谷口や岡ら若手が台頭する中、負けじと食らいついている。「周りの活躍を力に、自分自身ももっと頑張らないと」。DeNAから移籍1年目の昨季は、左肩骨折で1年を棒に振った。今季は1軍本拠地の北の大地で、躍動する日を目指す。【田中彩友美】