<オープン戦:DeNA9-6オリックス>◇16日◇横浜

 ハマの番長が開幕ローテに滑り込んだ。DeNA三浦大輔投手(40)がオリックス戦に先発し、5回を9安打4失点。8回表の前、ベンチで中畑監督に呼ばれ脇に座ると「頼むぞ」と告げられた。まさかのベンチ通達に「予想してないですよ」と苦笑いを浮かべたが、「『分かりました』と返しました。最初だけじゃなく、1年間しっかり期待に応えられるようにしたい」と表情を引き締めた。

 文句なしの投球ではなかったが、何とか踏ん張った。直球の制球に苦しみ、1回2死から先制点を献上。5回にはけん制悪送球で自らピンチを広げ、2点を失った。それでも、打者有利な右中間方向へ8メートルの強風が吹く中、強気の姿勢は失わなかった。3回にはT-岡田のバットを内角カットボールで折って追い込み、最後は外角138キロの直球で見逃し三振。「これでOKじゃないけど段階を踏んできている。しっかり仕上げて、シーズンに入りたい」と、力を込めた。

 前回登板した教育リーグ巨人戦(11日)では4回11安打5失点。試合後、体のケアを依頼している理学療法士の山口光國氏を訪れると、「4回5失点の体だな」と言われたという。キャンプで2627球を投げ込み、蓄積した疲労。この日までの4日間で3度、山口氏の元に足を運び回復に努めた。「これ(疲労)が抜けきれば大丈夫だと思っている。疲れがたまるのは当然。それが1年通して戦うための俺のやり方だから」。周囲の不安視する声にも、揺らぐことはなかった。

 今年でプロ23年目。自身の“開幕戦”は30日ヤクルト戦(神宮)に決まった。若手に負けじと先発の軸を全うする覚悟は、もちろん出来ている。【佐竹実】