重圧を受け止め、重い扉をこじ開ける。プロ野球は今日28日、セ・パ両リーグ同時に開幕する。巨人の開幕投手を務める菅野智之投手(24)は「普段通りではない。責任を感じる」と、初の大役に高ぶりを隠さなかった。全幅の信頼で送り出す原辰徳監督(55)も「勝負師にとって一番の日。この気持ちを継続したチームが成長する」と、緊張を逆に歓迎した。若き右腕でライバル阪神を制し、日本一へ滑り出す。

 

 大勢のカメラ、報道陣が菅野を取り囲んだ。前日でも漂う独特のオーラ。自身初の大役を託された菅野は「不思議な感じはあります。明日になれば、独特の雰囲気も出てくる。その時に感じるものもあると思う。そういうものを力に変えられる選手は強い選手。任された以上、ふさわしいピッチングをしたいです」と堂々と受けとめた。

 会見中、普段通りに臨むかと問われた。常に冷静に、感情を胸に秘めて、試合を支配する男が、語気を強めた。「普段通りではないです。意識しなくちゃいけないですし、責任はいつも以上に感じています」。素直に胸の内を明かし、特別な意識で臨むことを強調した。エース内海、杉内らと争って、託された栄誉。重みと意味を心に刻む。

 2年目での名誉は、54年ぶりの偉業への挑戦に変わる。2リーグ制以降、巨人で2年目以内に開幕投手を務めたのは6人目だが、60年の伊藤以来、白星から遠ざかる。無意識にも力が入る状況だが、マウンドではらしさを貫く。「自分のピッチングをすることは難しいですが、発揮できれば勝ちに直接つながる」と明快だった。

 「勝負師にとって、一番いい日」と表現した原監督は「力で勝ち取った開幕投手の座。彼に任せます。堂々と臆することなく、チームスローガンの雄志のように、雄々しく、強く投げてくれれば」と託した。相手は「乗せると怖いバッターがたくさんいる」と分析した虎打線。「ゼロにこだわるよりも試合の流れを見て、投げることが大事」と肝に銘じる。無鉄砲に失点を防ぐよりも、割り切る勇気が菅野にはある。

 登板に向け、原家の儀式で準備を整えた。開幕日の朝は「タイの尾頭」が定番だが、25日にファミリー総勢で食事会を開催。原監督、祖父の貢氏らとともにうなぎを食した。「3連覇、日本一奪回にチャレンジして、チームの輪の中心にいられるように、その原動力になれるようにやっていきたいです」。菅野は力強い言葉で会見を締めた。【久保賢吾】