<日本ハム3-4ロッテ>◇18日◇札幌ドーム

 日本ハムが、中田翔内野手(25)のボーンヘッド2連発が響き、痛恨の逆転負けを喫した。2-2の6回に中越え二塁打を放ったが、直後の左飛で帰塁が遅れる怠慢プレーで走塁死。8回の守備でも判断ミスして平凡な飛球を二塁打とした。試合の流れを悪くした影響もあり、1点を勝ち越した9回に2点を奪われて連勝が5で止まった。就任3年目で初の6連勝を目前で逃した栗山英樹監督(53)が断罪する中田が、敗因を招く1つになった。

 いつも多弁だが、貝になった。栗山監督が男を見せた。グッとこらえ続けた。試合後の会見。「中田…」のフレーズの質問が飛ぶたびに怒りを静めながら、かばった。詳細を振り返ることなく、ざっくりとした応答に終始した。「そんなもの、言葉にしなくても、みんな分かっている」。「言葉にすることではない」などと、かわし切った。

 怠慢プレーあり、判断ミスありだった。5連勝中で勝機十分の展開だった。主砲がチームの士気を下げたが、あえて論じず。栗山監督流の究極の断罪だった。2-2の同点の6回に、先頭打者で中越え二塁打。直後のミランダの左飛を二、三塁間のハーフウエーで確認。基本に忠実だったが、帰塁にスキが出た。ロッテ左翼の角中が二塁へ送球。慌てて戻ったが、スライディングもせずにアウトになった。三塁側ベンチも、スタンドも意気消沈した。

 8回の守備ではロッテ岡田の飛球を、遊撃の大引、中堅の陽岱鋼と「お見合い」する形で、二塁打にしてしまった。奮起した直後の8回2死からは中前打で出塁。一、二塁とチャンスを広げ、途中出場の大ベテラン飯山が一時勝ち越し二塁打を放った。「(中田を)カバーしたかった」。思いが詰まったその1点のリードを9回に、ひっくり返された。

 中田は全体ミーティング終了後、首脳陣を含めて誰よりも早く、球場を後にした。ゲームセットから約15分後だった。「ただ油断していただけ。それしかない。今日はオレのせいで負けた」と自分を責め、潔く認めた。直接的な敗因にはならずも、暗い影を落とした自分と向き合った。全員共通のチームの順守事項を守り、誰にもない天性の才能を解き放つ。弱冠25歳でも4番を背負う宿命と使命、責任がある。【高山通史】