<日本ハム5-1ソフトバンク>◇13日◇札幌ドーム

 「負けない男」が、本拠地3連敗の危機を救った。日本ハム中村勝投手(22)が、6回途中1失点で4勝目を挙げた。ソフトバンク打線を相手にすべてのイニングで走者を背負ったが、5回の内川の左前適時打による1失点でしのいだ。これで7戦連続で登板試合はチームが勝利(自身は4勝0敗)となった。

 中村の心には最後まで芯があった。「気持ちだけは攻めようと、強気に腕を振ることを心掛けました。今日は思い切っていこうと決めていました」。6回途中1失点。3戦連続で超満員となった「WE

 LOVE

 HOKKAIDOシリーズ」で白星をもたらした。

 鮮やかに、モデルチェンジした。前回登板以降、投球練習で磨いてきた。2回1死一、二塁で明石、本多、4回1死一、二塁で柳田を封じたのは、チェンジアップ。「自分が楽になると思いました」。1段階レベルアップへ、自身で考え取り組んできた。独特の軌道を持つ得意のカーブに加え、新たな武器が加わった。

 今季2度目の登板だった5月16日ロッテ戦から、7試合続けてチームを勝利に導いている(自身は4勝0敗)。「それは僕だけの力じゃないので…。みんなにカバーしてもらってます」と謙虚さを失わない。

 「負けない男」は、後半戦も欠かせない戦力。「いつもいい投球の後に悪かったりしているので、また次も強い気持ちでいきたい。もっともっと頼ってもらえるようにしないと」。打者を射貫いた鋭いまなざしは、まっすぐに次戦へ向けられていた。【本間翼】