<巨人0-3DeNA>◇14日◇東京ドーム

 キヨシ、大興奮!

 DeNAが連敗を3で止め、クライマックスシリーズ(CS)争いの土俵際で踏みとどまった。0-0の9回、ユリエスキ・グリエル内野手(30)が巨人の守護神マシソンから、起死回生の10号ソロ。30イニング連続無得点を止めて均衡を破ると、さらに2死満塁から代打の後藤武敏内野手(34)が、止めたバットで右翼線に落とす2点適時打を放った。負ければ3位阪神に5・5ゲーム差となるレッドゾーンから一転、CS進出の夢をつないだ。

 DeNA中畑清監督(60)の興奮は最高潮に達していた。「今日の勝利はデカイ。ホントに苦しかった。今日のゲームの持つ意味はデカイ」と、顔を赤くして声を張り上げた。そして「醍醐味(だいごみ)」という表現を2回使った。

 まずはグリエルだ。0-0で迎えた9回の先頭打者。マシソンに対しカウント1-1からの3球目、見逃せばボールという高めのカーブに反応した。打った瞬間に分かる打球は左翼席中段まで飛んでいった。両手を上げて喜んだ中畑監督は「1発しかないなと感じてた。一振りの醍醐味。タイムリー欠乏症だったからね。壁を破るのは1発と思っていた」。試合前、こんな状況を打破するのは外国人選手だろうと期待をしていた。

 グリエルも感じていた。8回の攻撃中、池田通訳と無得点が続いていることを話していた。「ホームランを打てればいいなと思っていたんだ」。それが役目と分かっている。だから6回に空振り三振したときはバットを投げ捨て、あわや次打者の筒香に当たるところだった。トス打撃では後ろから投げたボールを打っている。「視界に入った一瞬で反応するため。縫い目も見える」。速球狙いでも、抜けた高めの変化球に瞬時に対応できたのは、この練習の成果だった。

 そして代打の切り札後藤が必殺の仕事を果たした。初球の高め速球に対し、止めたバットに当たって右翼前に落ちる幸運な適時打を放った。「こんな場面で使ってもらえる。1打席にかける人生も醍醐味です」と笑った。

 代打起用を的中させた中畑監督も満足だ。「振ってもヒットにならないのに、振らないのにヒットになる。野球の醍醐味だね。1発では作り笑顔。この2点で確信を持った笑顔になったよ」と破顔。無得点地獄からも抜け出し、15日からの中日3連戦に弾みをつけた。【矢後洋一】