おめでとう、ヤマト!

 プロ野球の守備のベストナインを表彰する三井ゴールデングラブ賞が6日、発表され、阪神大和外野手(27)が初受賞した。外野手部門の3位。12年シーズンに遊撃手から外野手に本格転向して3年目、華のある中堅守備でもっとも欲しかったタイトルをゲットした。

 あふれる喜びを隠しきれない。守備の名手に贈られるタイトルだから、喜びもひとしおだ。大和がゴールデングラブ賞を初受賞した。シーズン121試合に出場し、堅実かつ華麗な中堅守備が高評価された。

 大和

 受賞を聞いた時は驚きましたが、自分自身も絶対にいつかは取りたいと思っていた賞だったので、本当にうれしいです。

 選考対象試合はレギュラーシーズン144試合。そこからは外れるが、日本シリーズでもビッグプレーを連発した。1勝3敗で迎えた10月30日の第5戦、2度の美技で投手陣を救った。まずは0-0の3回2死二、三塁、2点適時打かと思われた2番明石の前方へのライナーをダイビングキャッチ。6回2死二、三塁でも右後方への6番中村の大飛球をランニングキャッチした。第4戦では本塁へのダイレクト送球で生還を阻止し、第3戦でもダイビングキャッチで失点を防いでいた。

 12年に遊撃手から外野手に主戦場を移してから3年目。初めて外野手登録で臨んだシーズン。名実ともに名手と呼ばれる存在となった。高い身体能力を生かしたダイビングキャッチだけではない。鹿児島生まれの大先輩でもある福留に質問を重ね、ポジショニングを研究。俊足に加え、素早く打球から目を切って、落下地点までの最短距離を選ぶ能力も高い。今季は強肩からの送球にも安定感が増した。2位中日大島にわずか3票差、4位巨人長野に大差をつけての3位。誰もが納得の初受賞となった。

 大和

 守備でもチームの勝利に貢献したいという思いが強くありますし、これからも変わらず自分の一生懸命なプレーをファンの皆さんにお見せしたいと思っています。

 キャプテン鳥谷のメジャー挑戦が濃厚という状況もあり、来季は遊撃手に再転向する可能性もある。内野手としてもチーム屈指の守備力を誇る。内外野どちらのポジションに就いていても、2年連続ゴールデングラブ賞受賞を期待される。

 ▼大和のゴールデングラブ賞獲得は、阪神の外野手としては08年赤星憲広以来、6年ぶり。阪神外野手の獲得最多は新庄剛志の7度、次いで赤星の6度だが、大和はどこまで迫れるか。また鳥谷は13年に続き2年連続で獲得。阪神遊撃手では、平田勝男の4年(84~87年)以来2人目。また遊撃で3度目の獲得も、平田4度に次ぎチーム2位。