<練習試合:楽天1-1阪神>◇17日◇沖縄・宜野座

 1番トリ、再び!

 阪神鳥谷敬内野手(33)が1番遊撃で先発し、1打席目の初球に左前打を放った。昨季は7年ぶりに開幕を1番で迎えながら、西岡負傷の影響で3番に固定された。和田監督が今季、再び1番鳥谷の理想型を追求する可能性は十分。足に長打力もある「恐怖の1番打者」が定着すれば、猛虎打線の迫力は一気に増しそうだ。

 観客の拍手がワンテンポ遅れるほど、あっという間の出来事だった。電光石火の早業に「1番鳥谷」の魅力が凝縮されていた。1回裏無死、その初球だ。左腕相原の甘く入った135キロ直球をいとも簡単にミートし、ライナーを左翼前に弾ませた。15年初となる「1番鳥谷」。指揮官は満足げに振り返った。

 和田監督

 トリは出塁できるし、長打も打てる。足もある。去年は3試合しか(1番で)出られていないけど、試してみたい打順であることは間違いない。1番で、1年を通してどれぐらいの成績を残すのか、そういう楽しみはある。

 昨季、やむを得ず頓挫したプランだ。開幕戦の3月28日巨人戦は07年以来、7年ぶりとなる「開幕1番鳥谷」が実現。ただ、指揮官の理想型はわずか3試合で、西岡の負傷離脱により終わりを迎えた。いわば志半ばの攻撃型オーダーだ。指揮官は3番福留を含めたこの日のオーダーについて「(3人を)早く帰らせたかったから、あの並びになった」と説明したが、今季も再び理想を追求する可能性は非常に高い。

 鳥谷本人は1番でも打撃スタイルの変更など「全然、考えていない」と冷静だ。現状のままでも「恐怖の1番打者」への適性は数字が証明している。11年から3年連続で四球王。11年には3割9分5厘で最高出塁率を記録し、昨季はリーグ2位の87四球、同3位の出塁率4割6厘を誇った。球界屈指の「目」を持ち、過去には20本塁打(09年)、16盗塁(11年)もマーク。四球を恐れて甘く入れば痛打され、痛打を怖がれば四球。これほどいやな1番打者はなかなかいない。

 この日は2番に西岡が入り、指揮官は1回無死一塁で犠打ではなくランエンドヒットを選択。結果は投ゴロで1死二塁となったが、1番鳥谷からの攻撃的オーダーに巨人三沢スコアラーは「打つ方が強い1、2番ですね。これでつながると勢いづく」。いやらしい印象を与えたに違いない。新3番候補には福留、マートン、西岡とつわものたちがそろう。1番鳥谷-。15年猛虎打線のキーワードとなりそうだ。【佐井陽介】