<東都大学野球:駒大3-2日大>◇第5週初日◇1日◇神宮

 駒大が日大に逆転勝ちし、前週の東洋大戦から3連勝と波に乗った。同点の8回に、5番江越大賀外野手(2年=長崎海星)の今季2号ソロで勝ち越した。青学大は中大との乱打戦を8-7で制した。1点を追う7回2死満塁、筒井章平内野手(4年=桐光学園)が走者一掃の二塁打でひっくり返した。先発9人中7人がマルチ安打、全17安打の猛攻だった。

 打てと言われて打ってしまった。同点の8回裏。先頭打者の江越に、西村亮監督(37)は声をかけた。「ホームラン、狙っちゃっていいよ」。2球目のファーストストライク、狙い打ちした低めのスライダーは、左中間スタンド中段へ高々と舞った。

 ヒーローは「監督に言われて、逆に思いきっていけました」と晴れやかだ。春には強い。すでに今季2号目。リーグ戦での4本塁打はすべて春に放った。まだ1年生だった昨年、リーグ戦初安打がバックスクリーン直撃の豪快アーチとデビューも衝撃的だった。

 相手は日大。それもやる気に火を付けた。「理想の打者、長野さんなんです。トップを大きく取るのも参考にしてて」。巨人ファンの江越は、憧れの長野久義の母校・日大戦は特に「燃える」らしい。本塁打の前の3打席は、ともに得点圏に走者がいる好機で加点できなかった。5番打者としての意地も加わり、会心の一発につながった。

 これで駒大は前週から3連勝。現在勝ち点1で、1部リーグ残留を決める上でも日大戦は大きな意味を持つ。「このカードは気持ち入ってます。4年間で20発は打ちたい」。今夜はいい気分で、部屋のホームランボールを並べ直す。【鎌田良美】