工藤さんより長くやる!?

 中日山本昌投手(44)が25日、名古屋市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、3000万円減の年俸1億2000万円でサインした。年俸変動制2年契約の2年目となる来季について、あらためて進退をかける覚悟を表明。その上で、2つ年上の現役最年長・西武工藤公康投手(46)を引き合いに出し「工藤さんくらいまでやりたい」と、最低でも47歳まで現役を続ける目標を掲げた。(金額は推定)

 来季45歳の山本昌が、2つ年上の球界最年長左腕を引き合いに出し「工藤さんくらいまでやりたい」と口にした。工藤があと1年現役を続ければあと3年、あと2年なら4年…。手本にするにはもってこいだが、活躍次第で年々ノルマが高くなる超ハードな目標設定だ。それでもあえて名前を出したところに、意気込みをにじませた。

 山本昌にとって、工藤は特別な存在だ。勝てないとき、1軍になかなか呼ばれないときに「あの人ががんばっているから」と支えにしてきた。自分と同じ65年生まれのロッテ小宮山が今季限りで引退し、同級生の現役選手はもういない。だからよけいに、最年長・工藤の存在は大きくなっている。同じ左腕で練習の虫と、共感する部分も多い。今オフも電話で連絡を取り、近況を報告したという。

 来季に進退をかける覚悟を固めたからこそ「工藤超え」に挑む気持ちも生まれた。今季は登板6試合で1勝4敗、防御率10・67と不本意な成績。「来年が最後の可能性は高いし、そういう覚悟でスッキリしている。成績が伴わなければ区切りをつけるにはいい年。毎年剣が峰、徳俵(に足がかかっている状態)の野球人生だけど、それもいいでしょう」。チームに貢献できれば再来年もプレーするが、ダメなら引退。腹をくくっている。

 吹っ切れたように、来季の目標も口にした。「1年間(先発)ローテに入ってやりたい。体は自分の中ではここ5、6年変わってないんで、タイミングさえつかめれば2ケタ勝つチャンスはある」。年明け早々に鳥取市内のトレーニング施設「ワールドウィング」で動きだすつもり。趣味のラジコンもあえて封印し、これまで以上にストイックに野球に取り組む。キャンプでもハイペースで仕上げ、開幕ローテーションを狙う青写真はできている。

 通算205勝。円熟の投球で27年目の来季を現役最後どころか復活のシーズンとし、224勝左腕工藤の背中を追いかける。まだまだ、若いもんに負けるつもりはない。【村野

 森】