プロボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(22)と弟の東洋太平洋同級王者拓真(19=ともに大橋)が、今日1日付で芸能プロダクション大手ホリプロと専属マネジメント契約を結んだことが11月30日、分かった。同社が現役のプロボクサーと契約するのは初めて。今月29日の防衛戦に向け、さらに集中する環境を整えた。

 井上兄弟が現役ボクサーとして初めて、大手事務所ホリプロとマネジメント契約を結んだ。かねてボクシングファンの拡大を口にしてきた井上サイドと、さまざまな競技のアスリートのサポートをしてきたホリプロ側の思いが一致した。今後は、試合のない時期を中心に、テレビやイベントなどへの出演を同社が後押ししていくことになる。

 ホリプロは和田アキ子、深田恭子、綾瀬はるからの芸能人に加え、Jリーグの槙野智章らとも契約を結ぶなど、スポーツ界との関係も深い。昨年末に史上最速のプロ8戦目で2階級制覇を達成した尚弥は「よりボクシングに集中する環境作りの一環として、マネジメントをお願いすることにした」とコメントした。

 今月29日には、重要な一戦が控える。尚弥は昨年末に世界的名手オマール・ナルバエスに衝撃的な2回KO勝ちも、同試合で右拳を負傷。長期欠場を余儀なくされ、1年ぶりの復帰戦(東京・有明コロシアム)で、同級1位パレナス(フィリピン)を迎え撃つ。右が使えない期間も、左のバリエーションを増やすなど、さらなる進化を目指して復帰への準備を進めてきた。

 現在は、右も100%の力で打てるまで回復しており、最後の追い込みに入っている。7月に無敗で東洋太平洋王座を獲得した拓真も、同日に行われる初防衛戦をクリアし、来年の世界挑戦を目指す。まずはリング上で豪快な試合を披露し、存在感を示す。