初めて6回戦に臨んだ辰吉寿以輝(19=大阪帝拳)が、3試合ぶりのKOで無傷5連勝(3KO)を飾った。初めて対戦する外国人リオ・ナインゴラン(21=インドネシア)に左ボディーを見舞い、3回2分11秒TKO勝ち。この回開始20秒でダウンを奪うと、元世界王者の父丈一郎氏と同じように右腕を回してエンジンをかける。3度倒して勝負あり。初めてメインを務めた会場を盛り上げ「初物尽くし」の一戦に快勝したが「ボディーにこだわりすぎた。45点です」と辛口で採点した。

 涙の判定勝ちとなった過去2戦と比べ、吉井会長は「成長のあった内容だと思う」。だが、仕留め切れない息子に父は「キツツキやあるまいし。きれいに倒したらな、相手がかわいそう。辰吉の名前を背負ってるんやから。人ができんことして辰吉や」と容赦ない。

 父の声に寿以輝も「もう終わったので次の試合に向けてやりたい」。次戦は年内を予定。偉大な背中を追う旅は、険しい道のりだ。