WBC世界バンタム級タイトルマッチの前日計量が15日、大阪市内で行われ、11度目防衛を目指す王者山中慎介(33)が計量をクリアした。

 リミットで計量をパスした山中は、両拳を握り好調ぶりをアピールした。大阪でのV8戦は名物「自由軒」のカレー、京都でのV9戦はにしんそばと、地方での試合は勝利後の“ご褒美”をあげるのが恒例。「今回は吉本新喜劇に行こうかな」と表情を緩めると、足早に会場を後にした。

 昨年9月、2-1の僅差判定で競り勝った強敵モレノとの1年ぶりの再戦。準備してきた武器は、ボディーを打ち抜く左ストレートだ。サウスポーのモレノにとって前に出ている右脇腹。過去最多140回のスパーリングで、まっすぐ、最短距離で打ち抜くパンチを磨き上げてきた。「攻略の鍵になると思うし、手応えもある。そこを突破口にして、上のパンチにもつなげていきたい」と力を込めた。国内歴代2位タイとなる11度目の防衛戦に向けて「あとは勝つだけ。良いパンチが当たれば多少強引に行きます」。難敵との大一番で、山中が底力を見せつける。